研究課題
若手研究
本研究は、日本で有数の豪雪地帯である立山・剱岳周辺に所在する山小屋建築に焦点を当てる。山小屋は生活圏から隔絶した立地にあるため、小屋主自らが立地環境の流動(暴風雨、土石流、雪崩等)による小屋の変形・破損等に都度対応し、年月をかけて小屋を環境に適応させてきた。本研究では、小規模で単純な架構からなる小屋という建築物の立地環境(地勢や気象等)への適応過程を検討し、立地環境の特性に応じて採られてきた建築的対応策(被災と建て替え・改修の履歴、現状の対応策等)を明らかにする。小屋主らが継承してきた山岳環境下における小屋の建設、維持管理に関する知恵や技術を調査し、山岳地における建築文化として意義づける。