研究課題/領域番号 |
23K13498
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
田畑 邦佳 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (80963959)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 超低高度地球周回衛星 / 電気推進 / 空気吸い込み式 / イオンエンジン / はやぶさ2 |
研究開始時の研究の概要 |
地球観測衛星の衛星データの高解像度化のため,高度300 km以下を長期間にわたり飛行できる超低高度衛星の需要が高まっている.そのような超低軌道では軌道高度を維持するために空気抵抗を補償する推進機が必要だが,低燃費な電気推進機でも,燃料搭載量の制限から長期間にわたる衛星運用は難しかった.そこで本研究では,空気を吸い込んで推進剤とすることで燃料消費をゼロに抑え,超低軌道を半永久的に維持できる革新的な推進機を提案する.小惑星を往復航行した「はやぶさ2」にも搭載されたマイクロ波放電によるプラズマ生成技術を応用し,低密度でも十分な推力を生成し,優れた耐久性を有する空気吸い込み式イオンエンジンを実現する.
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研究実績の概要 |
今年度の研究により以下の成果が得られた。本研究開始前の予備実験では、大気吸込インテークを模擬した筒内に、空気を取り込む間隙のあるイオンスラスタを設置し、作動を行った。その実験では、キセノンを推進剤として利用し、10の-3乗Paの低圧力でも電流引き出しが可能であることが分かっていた。本研究では、推進剤を空気に置き換えて実験を行い、同様の低圧力において20 mA以上の電流引き出しが可能であることが明らかとなった。また、実現性解析により、地球低軌道で大気抵抗を保証する十分な推力を得るためには、従来の1.5キロボルトからさらに高い電圧でイオンを引き出す必要があることが分かった。そこで、最大7キロボルトの高電圧作動実験を見越して、推進機の絶縁設計を実施した。結果として、最大で10キロボルトの静耐圧を有することが確認できた。一方、高電圧化のための電源増強により太陽光パネルや衛星本体が大きくなるため、周辺機器を小型化して大気抵抗を下げる努力が必要となる。そこで、システムとしての実現可能性を上げるべく、周辺機器の小型化・電力消費の高効率化を目指した研究開発を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最新のインテークでの大気圧縮性能を踏まえて、イオン加速電圧を増加させることで大気抵抗を保証できる推力が達成見込みとなったことは大きな発展である。高電圧作動は未実施であるものの、十分な耐電圧を有する実験環境が構築されつつあり、早期に実施できる状態にある。また、小型の真空チャンバーも完成し、専有の装置で耐電圧試験や電子源の作動等の実験を加速度的に行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
高電圧でイオンを引き出すことによりスラスタの推力を増強する。高電圧でのイオン引き出しの際、放電室内のプラズマが消滅する可能性があるため、印加電圧とプラズマ維持可能な圧力の関係を調査する。また、大気を推進剤とする場合にはプラズマに様々な粒子種が存在するため、ビーム電流から推力を見積もる際は工夫が必要である。まずは、E×Bプローブによりその割合を実験的に明らかにすることを検討している。
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