研究課題/領域番号 |
23K13503
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
平川 知明 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (10825912)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 境界要素法 / 浮体動揺解析 / 高速多重極展開 / 高速多重極展開法 / 領域分割法 |
研究開始時の研究の概要 |
浮体式洋上風力発電施設の安全設計や形状最適化において,弱い非線形性を組み込んだポテンシャル理論に基づく,弱非線形周波数領域解析が主流であるが,浮体動揺や浮体が受ける外力の低周波成分を過小評価する傾向があることが近年明らかになった.本研究では,完全非線形ポテンシャル理論に基づく境界要素法に高速多重極展開と粘性効果を捉えるための領域分割法を加えた解析プログラムの開発を通して,弱非線形周波数領域解析の過小評価傾向の原因を明らかにし,浮体動揺解析の効率と精度を向上させる手法を確立することを目指す.
|
研究実績の概要 |
1. 擬2次要素による計算精度の改善 境界要素法(BEM)とArbitrary Lagrangian Eulerian(ALE)を組み合わせて,進行波のシミュレーションを行うと,進行波が進行するにつれて減衰してしまう問題が生じた.そこで,補間精度の改善が期待できる擬2次要素を考案し,従来の線形要素を使った計算との同条件における比較によって,この問題の主な原因が,「線形要素を使った境界積分方程式の離散化」ではなく,「線形要素を使ったALE」であることを明らかにした.このことと,擬2次補間の実装方法・補間精度・BEM-ALEにおける有用性を示した論文を執筆し投稿した. 2. 浮体動揺解析へのプログラムの拡張 浮体の運動方程式と波の方程式を連成して解析できるように,これまでの水面-構造物相互作用解析プログラムを修正し,水面-浮体相互作用解析プログラムに拡張した.また,これを使った計算結果がBEM-MELを使った2D浮体動揺解析結果とよく一致することを確認した. 3. 高速多重極展開の実装 高速多重極展開(FMM)をBEM解析に適用するために必要な,QR分解・Arnoldi過程を含むGMRESのプログラムを作成し,その妥当性を確認した.また,FMMにおけるM2M・M2L・L2Lの計算精度もシンプルな場合で確認した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
数時間分の浮体動揺実験に対応するシミュレーションを行うためには,計算速度を大幅に向上させる必要がある.その解決策である高速多重極展開(FMM)の実装に時間がかかってしまっている.QR分解,Arnoldi過程を含むGMRES法の実装は終了し,FMMにおけるM2M・M2L・L2Lの計算精度もシンプルな場合で確認した.残りの,FMM・GMRES・ツリー構造を組み合わせることに想定していたよりも時間がかかってしまっている.
|
今後の研究の推進方策 |
FMMを早期に実装することによって,計算時間を短縮し研究を推進する.既存のライブラリを部分的に組み込むなどしてFMMの早期実装に尽力する.
|