研究課題
若手研究
神経剤などの化学剤は高い毒性を持つことから、テロや事件で用いられた際には大きな被害をもたらす。このような場面においては、化学剤の特定のための現場検知や、被害者の生体試料からの曝露証明が重要であり、様々な現場検知資機材や生体試料分析法が開発されてきた。しかし、それらの手法では実剤の測定によるライブラリーの作成や標準品の実測値との比較が必要であり、多様な構造を有する化学剤に網羅的に対応することは困難であった。本研究では、計算化学を用いて分光学的スペクトルおよびフラグメントイオンスペクトルの予測を行い、化学剤の実剤から得られた実験値との比較を行うことで、実験値を良く再現する計算手法を確立する。