研究課題/領域番号 |
23K13530
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
門廻 充侍 秋田大学, 本部, 講師 (80819673)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 発災からの経過日数 / 死因不詳 / 瓦礫 / 漂流者位置推定 / 津波 / 遺体発見日 / 遺体発見場所 / 宮城県 / 東日本大震災 |
研究開始時の研究の概要 |
今後起こり得る巨大地震津波において,人的被害を軽減するためにも,発災後の早期発見は重要である.早期発見は,死者数の減少に加えて,身元不明者および行方不明者の減少にも寄与できると考えられる.そこで,本研究では,東日本大震災における宮城県での人的被害を時間軸に着目して分析することで,早期発見に繋がる知見を創出する.さらに,得られた知見を踏まえて,早期発見を促進させる技術開発を行い,津波災害における人的被害軽減を目指す.
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研究実績の概要 |
今年度は,以下の3つの実績を得た. 1)発災からの経過日数と死因の関係を検討した.死因の分類として,Seto and Imamura(2020)の12死因を採用した.発災からの経過日数は,遺体発見日と発災日(3/11)の差で定義した.その結果,溺死を含む11死因よりも,死因不詳の経過日数が遅い傾向が示された.また経過日数の四分位偏差に関する比較でも,死因不詳は11死因とは異なる特徴を示した. 2)発災からの経過日数と遺体発見場所タイプの関係を検討した.初期検討として,陸域の瓦礫から発見された犠牲者を対象とした.比較対象として,陸域の屋外で発見された犠牲者を採用した.比較した結果,屋外よりも瓦礫の経過日数が遅い傾向が示された. 3)海上漂流者を対象とした位置情報推定技術に関するレビューを行い,次の3つの機能が仕様として必要であることが明らかになった:①GPSを活用して対象者の位置情報を大まかに特定する機能,②GPSにより推定された位置情報を捜索側が閲覧できる機能,③捜索者が直接通信により漂流者の位置を特定できる機能.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,時間経過による死因への影響の観点で,発災からの経過日数と死因の関係を分析し,12死因の中で,死因不詳が時間的特徴を有することを明らかにできた.また,遺体発見場所タイプによる時間経過への影響の観点で,初期検討として,陸域の瓦礫から発見された犠牲者を対象とした分析を行い,屋外犠牲者よりも遅く発見される傾向を示せた.海上漂流者を対象とした位置推定技術の仕様も決定することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の実績を踏まえ,次年度は主に3つのテーマに着手する.1)遺体発見場所タイプに関する追加分析を行い,瓦礫以外の分類による影響を評価する.2)遺体発見場所に着目した分析を行い,時間経過の地域特性を評価する.3)漂流者の着用を想定したフローティング・ジャケットの検討を継続する.
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