研究課題/領域番号 |
23K13534
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
酒井 宏平 城西大学, 現代政策学部, 助教 (20826945)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 避難行動 / シミュレーション / VR / 観光客 / モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
土地勘に疎い観光客の避難支援は重要である。しかし、従来の避難研究は、想定調査に基づき、その行動特性を抽出していたため、現実の状況に基づいた行動を抽出できていない。また、避難シミュレーション研究においては、専門家しか使うことができず、市民がその結果を理解したり、体験したりすることが難しいという問題があった。 本研究では、現実のように世界を体験できる仮想現実技術(以下、VR)を用いて、災害時の状況を擬似体験し、より緊迫感・没入感のある状況を作り出す。そして、災害時に近い環境下での避難行動を分析したり、市民が群衆避難を体験したりできる新しいシミュレーション手法を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、地域情報や避難場所などの情報に疎い観光客を想定して、避難という平常時には体験できない行動を、VR体験を活用することで、これまで再現できなかった緊迫感や危機感、没入感を再現したモデリングとシミュレーションの手法を確立することである。そのために、次の3つのことを明らかにする ①VR体験に基づいて、経路を選んだ理由や、経路を選ぶ際に重視した要素を抽出することで、観光客はどのように避難を行っているのかを明らかにする。②それら行動ルールを実装したシミュレーション実験を行い、どのように観光客の避難を支援すれば良いのかを明らかにする。③VRを活用して、シミュレーション上の避難を体験することで、体験者はどのような学びが得られるのかを明らかにする。 これら目的を達成するために、2023年度は、以下3つの作業を実施した。1つ目は、より没入感のある避難行動を仮想空間上に表現するために、ゲームエンジンであるUnityを使い、歩行や避難に関係する機能を実装した試作システムの構築をおこなった。2つ目は、避難行動の注意点や、シミュレーション体験により期待される学習効果を抽出する作業も並行して実施した。3つ目は、既存の防災や避難などのゲームや机上演習を整理し、来年度以降に予定している本研究での検証手法への活用ができるように準備を整えた。2024年度は、仮想空間上での避難体験のテストプレイを実施する予定である。さらに、テストプレイを通じて、体験による学習項目の抽出作業や、質的な検証も実施し、研究仮説の構築を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究初年度である2023年度は、目標としていた2つの内容(①システムに必要な基本的な機能の実装、②仮想空間での体験による学習項目の抽出)を実施することができたため。2024年度からの試作を用いたテストへの準備が整ったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、仮想空間上での避難経験を実現するための更なるシステム開発並びにテストを実施することで、被験者がどのような学びを得られるのかを質的な調査より明らかにする予定である。
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