研究課題
若手研究
Fe16N2はスレーター・ポーリング曲線の上限を超える高い飽和磁束密度(2.8-3.0 T)を持つと期待されているが、発見から50年経った現在でも本当に高い飽和磁束密度を持つか否かが未だに議論されている。本研究では窒化鉄薄膜中に生じた微細なFe16N2単相の飽和磁束密度を電子線ホログラフィーにより計測し、Fe16N2相が示す真の飽和磁束密度を実験的に決定する。さらに、基板との格子整合によって窒化鉄薄膜内に導入される格子歪を走査透過電子顕微鏡法により精緻に解析し、格子歪の分布と磁束密度の分布を対比することで、Fe16N2格子の歪が飽和磁束密度に及ぼす影響を明らかにする。