配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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研究実績の概要 |
本研究は、材料中ホウ素濃度を正確に定量する手法の開発を目的とししている。2023年度は1.高温技術を駆使した試料調整、および、2.原理的に最も高確度でホウ素を定量できる即発γ線分析を組み合わせることで、汎用分析手法評価のためのホウ素材料標準試料を作製した。 具体的には真空高温炉などを用いて、異なる化学量論組成の単相試料(NiB,Ni4B3,Ni2B,Ni3B,CoB,Co2B,Co3B,TaB2,ZrB2,FeBなど)を用意した。固体試料中ホウ素濃度を精緻に決定するため、即発γ線分析を用いて、各種試料中ホウ素濃度を定量した。一部試料では、そのホウ素含有量の多さから、中性子遮蔽効果により、即発γ線分析の分析不確かさが大きくなることがわかった。そのため次年度は試料を薄く加工することで中性子遮蔽効果を排除し、より精緻な分析定量値を得ることを目的として追加実施する。 また電子線を用いた汎用分析手法(EDS,WDS)における分析確度評価のために、即発γ線分析において高確度分析定量値を得られた一部試料を用いての汎用分析(EDS、WDS)を実施した。その結果、EDSではホウ素由来の特性X線強度と試料ホウ素濃度に相関関係が見いだせず、また、各種補正法(ZAF、φρZ)による定量値も、非常に不確かさが大きいことが明らかとなった。一方でWDSの場合、ホウ素由来の特性X線強度と試料ホウ素濃度に相関関係が得られた。WDSにおいても、各種補正法(ZAF、φρZ)による定量値も、非常に不確かさが大きいことが明らかとなった。これより、材料中ホウ素の精緻な定量分析のためには、検量線法が適していることが示唆された。
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