研究課題/領域番号 |
23K13561
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
大曲 仁美 青山学院大学, 理工学部, 助教 (40846797)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 複合材料 / 発光性希土類錯体 / 酸化グラフェン / 発光希土類錯体 / 導電性発光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、発光色を電圧によって制御できる新たな材料の開発と、イオンや物質に反応して発光特性が変化するセンサーフィルムへの応用を目的としている。レアアースとして知られるユウロピウムは、電子状態で発光色が異なり、2価は青色と3価は赤色の発光色を示すことが知られている。これを安価で軽量な導電性の炭素材料に組み込むことで、双方の利点を活かした新たな薄膜素材の開発を目指す。 さらに本研究で使用する炭素材料は、フィルム化することが可能であるため、炭素材料の気体やイオンを選択的に吸着・透過する特性を利用し、発光でモニター可能なスマートフィルムとしての応用を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、発光色を電圧によって制御できる新たな材料の開発と、イオンや物質に反応して発光特性が変化するセンサーフィルムへの応用を目的としている。レアアースとして知られるユウロピウム(Eu)は、電子状態で発光色が異なり、2価は青色と3価は赤色の発光色を示すことが知られている。これを安価で軽量な導電性の炭素材料に組み込むことで、双方の利点を活かした新たな薄膜素材の開発を目指す。 Eu錯体とGOを化学結合により複合化させた発光性Eu/GO複合膜を開発し、電位変調によるEuの価数を自在に制御できる仕組みの確立を行う。目的を達成するために用いる配位子およびそのEu錯体には一貫した分子設計を組み込んでおり、すでに合成に成功しているGOとの複合体の他に現段階では例がない。GOを用いた理由は、反応活性点として酸素官能基を豊富に有しており、親水性であるため溶液中での複合化が容易であるからである。 さらに本研究で使用する炭素材料は、フィルム化することが可能であるため、炭素材料の気体やイオンを選択的に吸着・透過する特性を利用し、発光でモニター可能なスマートフィルムとしての応用を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
補助事業期間中の研究実施計画より、本研究の目的達成のための研究計画として、初年度(2023年度)は「導電性素材を複合化することによる電気伝導率向上のための取り組み」、を目標としてきた。 現状としてGO中へのEu錯体の導入濃度の最適化等をおこなっており、複合化による発光特性の評価は良い結果が得られている。一方、導電率測定の結果、電気伝導率が著しく低い値を示した。また導電率向上のため、イオン液体を混合したEu/GO複合膜についても作製したが、発光が観測されないといった問題が挙げられる。 当初の研究実施計画では、次年度(2024年度)は「蛍光モニタ型スマートフィルムへの展開」に取り組むことを予定していたが、現状複合膜の発光の不安定さや、導電率改善が優先課題として挙げられるため、今年度は昨年度に引き続き、ある程度の導電性を示し、かつ、発光を保持する複合膜の作製をおこなう予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現状としてGO中へのEu錯体の導入濃度の最適化等をおこなっており、複合化による発光特性の評価は良い結果が得られている。一方、Eu錯体を導入後、熱還元をしたEu/rGO複合膜は、発光を保っているが、電気伝導率が著しく低い値であることがわかった。また、当初の計画通り導電率向上のため、イオン液体を混合したEu/GO複合膜についても作製したが、発光が観測されないといった問題が起きた。 これにより、今後の研究の進め方として、昨年度に引き続き導電性を示し、かつ、発光を保持する複合膜の作製を優先し、おこなう予定である。
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