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サステナブルなバイオセンサ基板構築に資する金属インプリンティング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K13566
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分26040:構造材料および機能材料関連
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

竹村 謙信  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (10909831)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード金属薄膜 / センサ / 電気化学 / 光科学 / ナノ構造体
研究開始時の研究の概要

本研究では長期安定なバイオ・化学センサ基板としての使用と材料の回収が可能な金属インプリンティング法を開発する。具体的には強靭性・空間保持能力の高い金属薄膜で鋳型特異的空間を形成した際の認識能力評価や制御技術を開発する。申請者は既にバイオ物質にも適応可能な金属薄膜上への表面形状保存技術を開発している。技術の応用可能性として分子インプリンティング法のような鋳型認識という着想を得た。表面形状保存技術をナノスケールサイズの化合物・蛋白質からマイクロスケールの細菌まで様々なターゲットに応用し、サイズ毎の認識能力を光学的・電気化学的に評価する。

研究実績の概要

本年度は主目的であるバイオセンサ関連についてバイオ材料を鋳型とすることでナノスケールまで空間保存が可能である点を証明した。また、生体ホルモンの一種であるプロゲステロンと微生物である原虫を鋳型とした空間保存電極を作製し、電気化学計測に応用している。ナノスケール構造を生物試料から作製した電極は重金属検出用の電極として利用され、ヒ素を対象に市販電極の100倍の感度向上に成功した。また、原虫を対象に実施したバイオセンシングでは10 cell/mlの濃度の溶液で検出信号を確認することに成功した。また、プロゲステロン電極においては1 nMの感度を達成している。これらは全て抗体などの捕捉物質を使用しておらず、成膜に使用した金属材料はセンシングした後に分離回収が容易な基板である。研究目的であるサステナブルなバイオセンシング基板開発を達成するセンサデザインとなっている。
また、副次的な成果として、バイオイメージングにおいて高い導電性を達成するために、磁気的に制御されたカソードを用いて、低温プラズマ蒸着と加速電子線照射を試料上で実施した。ダンゴムシや蝶の羽のような高度に構造化された三次元試料を、金属蒸着のみを用いて高倍率で高効率に観察することができる。この方法は、前処理を必要とせず、1台の蒸着装置で電子顕微鏡による生体試料の表面分析が可能であるため、バイオイメージングの分野で利用しやすい。
全体として、主目的であるバイオセンシングも予定通りの進捗を得ており、副次的な成果も複数得ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の主目的となるインプリンティングセンサーに関しては分子レベルまで、一定の電気化学信号を得ることに成功している。これは2024年度の前半までに達成すべき内容であり、当初の進捗予定をフォローしていると考える。光を用いたセンシングについてはこれまで顕微鏡ラマン分光を用いたアスコルビン酸の増強スペクトル取得に挑戦しており、まだ顕著な成果は得ていない。これは成膜時における金属膜の膜厚や成膜条件が微小空間形成に非常に重要な要因であることから、条件的不適状態であるため生じた課題である。これを解決することで光によるセンシングも可能になると推察する。この解決のための条件設定については既に検討が一定度完了しており、6月中の実施予定である。
全体として、当初の予定はおおむね達成しており、今後の研究進捗も大きな障壁はない。
以上の結果より、自己評価を2とした。

今後の研究の推進方策

1:ターゲット制御手法について次年度は微粒子を大きさ依存で30 nm単位の分離が可能な流路構造をデザインし、インプリンティング金属基板上にナノスケールの材料のみを流し込むことで夾雑物中からの高選択性検出の可能性を向上させる。
2:化学・バイオセンサ応用:既にアスコルビン酸の形状を保存した金属電極の合成に成功している。今後はラマン分光器を用いて一般的な平滑金薄膜と形状保存金薄膜の間でのSERS効果によるラマンスペクトルの増強効果差を確認する。
3:今年度までに得ているプロゲステロン形状保存電極及び原虫形状保存電極を用いたバイオセンシングに関連する研究成果を論文化する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Fabrication of Highly Active Nanoneedle Gold Electrode Using Rose Petals for Electrochemical Detection of Arsenic(III)2023

    • 著者名/発表者名
      Takemura Kenshin、Motomura Taisei、Iwasaki Wataru、Morita Nobutomo
    • 雑誌名

      ACS Applied Nano Materials

      巻: 6 号: 17 ページ: 15879-15886

    • DOI

      10.1021/acsanm.3c02781

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Nanoscale interface structure fabrication utilizing bio-templating and low-temperature sputtering2023

    • 著者名/発表者名
      Kenshin Takemura
    • 学会等名
      Materials Innovation for Sustainable Development Goals
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] バイオ素材界面形状の金属薄膜上への保存2023

    • 著者名/発表者名
      竹村謙信
    • 学会等名
      電子情報通信学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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