研究課題/領域番号 |
23K13592
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
増田 勇人 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 講師 (90781815)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | Leidenfrost液滴 / 高分子液滴 / 運動モデル / 液滴反応器 / ラチェット / ライデンフロスト液滴 / 液滴動力学 / 複雑流体 / プロセス強化 |
研究開始時の研究の概要 |
液滴は沸点より十分に高温の面に滴下されると,自身の蒸気膜に浮遊するライデンフロスト状態となる。本研究では,この液滴を高温かつ良混合場の化学反応器と捉え,様々な種類の複雑流体液滴を用いた際の液滴運動や反応器としての性能を検討する。さらに,高温ラチェット面上での自走運動を利用した連続操作化にも挑戦し,液滴反応器を用いたプロセス強化論への展開を目指す。
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研究実績の概要 |
過熱表面上に浮遊する液滴を利用した化学プロセスの創出を目指し,過熱ラチェット面における高分子液滴の挙動をハイスピードカメラによる撮影画像を元に検討した。高分子にはキサンタンガムを用い,0.1wt%での濃度帯を対象としてラチェット面温度を変化させ,液滴の運動挙動を観察・可視化した。高分子添加により粘性が上がることで運動中の液滴の変形が抑えられ,安定した自走運動を示すことがわかった。画像解析により運動する液滴の座標を取得し,液滴速度を算出し,運動方程式モデルとフィッティングすることで駆動力と摩擦力を得た。これらパラメータと液滴粘度には相関が確認され,液滴粘度が増加することで駆動力の増加ならびに摩擦力の増加につながることを示した。また,ラチェットの形状(溝深さ)の影響についても検討した結果,溝深さが大きいほど摩擦力が増加する傾向がみられたことより,液滴粘度,ラチェット形状と液滴運動モデルについての相関関係を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
液滴運動を追跡するための画像解析プログラムは当初の計画より早めに開発できたが,液滴運動の数値シミュレーションについては若干遅れている。トータルとしては順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまではキサンタンガム水溶液液滴を対象としていたが,高分子の分子量や鎖長の影響を明らかにするため,いくつかの水溶性ポリマーを用いて同様の検討を行う。主にポリエチレンオキサイド(PEO)のような複数の平均分子量が入手しやすい液滴を用いる予定である。また,液滴運動を詳細に理解するために数値シミュレーションも行っているが,メッシュ条件や物性値によって計算が発散してしまう課題がある。より細かいメッシュ条件による長時間のシミュレーションに着手し,現象理解(液滴内部流動や蒸気流動)を目指す。
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