研究課題/領域番号 |
23K13603
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内藤 剛大 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (80963991)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 電極触媒 / 水電解 / 水素発生反応 / 中性pH / 酸素発生反応 |
研究開始時の研究の概要 |
水素エネルギーシステムを中心に据えた持続可能な社会形成のためには、水電解槽の高効率化が求められている。水電解は19世紀から歴史が始まり、構成材料である電極触媒についても非常に多くの研究例が報告されている。しかし、水電解の長い歴史にも関わらず未だに電極触媒には高性能化が求められている。本研究では、成熟した水電解分野において革新的な触媒を開発するためには非連続な開発が有効だと考え、低い効率故に検討例の非常に少ない中性pHという反応環境に着目した。 本研究では、反応環境の詳細な調整を通じて“中性pHにおける水電解用電極触媒”という未開領域に眠る革新的な高効率電極触媒の発見・創製を実施する。
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研究実績の概要 |
水素エネルギーシステムを中心に据えた持続可能な社会形成のためには、水電解槽の高効率化が求められている。水電解は19世紀から歴史が始まり、構成材料である電極触媒についても非常に多くの研究例が報告されている。しかし、水電解の長い歴史にも関わらず未だに電極触媒には飛躍的な高性能化が求められている。成熟した水電解において革新的な触媒を開発するためには非連続な開発が有効だと考え、本研究では低い効率からこれまで未検討だった中性pHという反応環境に着目している。本研究では、中性pHでのみ使用可能な元素種の有効活用により“中性pHにおける水電解用電極触媒”という未開領域で革新的な高効率電極触媒の創製を目指している。 本年度は、触媒調製・評価システムの構築を実施した。触媒調製については簡便な電着法をの適用を検討した。二元系材料を対象とし、中性pHでのみ使用可能な元素種に対して様々な組み合わせの触媒材料を調製した。その際、電着法では前駆体水溶液の組成や基板材料、電流密度や電着時間が触媒性能に大きく影響するためこれらの検討を詳細に行った。触媒の性能評価にあたっては、電解質水溶液として中性pHに調整した緩衝溶液を用い、ポテンショスタットを用いて、サイクリックボルタンメトリー法、インピーダンス測定や定電流試験などを用いて触媒性能の評価を実施した。また、触媒材料のキャラクタリゼーションとして蛍光X線分析や走査電子顕微鏡を用いて電着法で形成した触媒材料の元素組成や元素マッピングに関する知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究を遂行するにあたって必要な設備・備品や消耗品の準備・手配を完了し、研究体制を整えた。また、申請書にて提案したいくつかの元素の組み合わせについて電着法を用いて実際に触媒調製を実施し電極触媒としての性能評価を行った。電着法では合成できる組み合わせに限りがあるものの複数の組み合わせの評価を実施することが可能であった。また、サイクリックボルタンメトリーや蛍光X線回折などin situとex situでの各種キャラクタリゼーションも実施した。また、実施したうちの一つの触媒材料では比較的高い触媒活性を持つものを見出している。この触媒については調製法の各パラメーターを種々に変更し最適化を実施した。これらは申請書に記載したスケジュールにおおむね沿っているため、本研究課題は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
電着法による触媒の調製では電着条件が当初の想定よりも触媒性能向上に重要であることを見出した。これを当初計画に反映させつつ電極触媒材料開発を進める。また、材料系によっては電着法での合成が困難なため、これらの材料は前駆体の焼成など熱エネルギーによる調製を試みる予定である。また、開発した触媒に対して分光的なキャラクタリゼーションを進め反応機構の調査も進める予定である。
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