研究課題/領域番号 |
23K13609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡橋 伸幸 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (30802748)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 脂質 / ストレス応答 / 出芽酵母 / ノンターゲットリピドミクス / 13C代謝フラックス解析 / 酵母 / ストレス耐性 / リピドミクス |
研究開始時の研究の概要 |
バイオプロダクションにおいて、細胞のストレス耐性強化は重要な課題である。細胞を構成する脂質二重膜の物性変化がストレス耐性能の向上に寄与することが示唆されているが、脂質分子の構造多様性と代謝経路の複雑性ゆえに脂質とストレス耐性の関係性の全貌は不明である。本研究では、物質生産宿主である出芽酵母を題材とし、脂質を分子種レベルで網羅計測できるノンターゲット解析法と、代謝の“流れ”を計測できる13Cトレーサー解析法を組み合わせることで、ストレス耐性に寄与する脂質代謝経路を特定し、その人為的な制御を通してストレス耐性細胞の創生を目指す。
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研究実績の概要 |
脂質二重膜は、細胞内外を隔てる境界に位置し、細胞外ストレスに応じて脂質構造や組成の変化が起こることが知られている。しかし、種々のストレス応答に関係する脂質の構造やバランス、それに寄与する代謝経路は分かっていない。本研究では、脂質の量的、質的変化を包括的に計測する技術と、脂質代謝の“流れ”をとらえる技術の開発を通して、出芽酵母におけるストレスと脂質代謝の関係性を理解し、ストレス耐性能を向上させることを目的とする。 本年度は、まず、脂質のアシル鎖のパターンを正確に決定するために、四重極飛行時間型質量分析装置のData-independent acquisitionモードを用いて、アシル鎖由来のプロダクトイオンを定量する手法を開発し、脂質を異なるアシル鎖パターンからなる構造異性体の分離定量が可能となった。 続いて、出芽酵母を低温、高温、低pH、高NaCl濃度など様々なストレス環境に暴露し、ノンターゲットリピドミクスを用いて脂質を包括的に計測することで、ストレスの種類と変動する脂質の関係を調べた。特に低温条件下では、特定の脂質クラスのアシル鎖の不飽和化が進行することを明らかとした。さらに、脂質代謝経路の1遺伝子破壊株を上記ストレス条件に暴露したときの応答を調べたところ、野生株に比べて増殖速度が向上する遺伝子破壊株を見出した。 このような脂質分子の変化を引き起こす代謝の流れの変化を明らかにするために、脂質代謝経路の13C代謝フラックス解析法の開発に取り組んだ。[U-13C]glucoseを用いて出芽酵母を培養し、グリセロ脂質中に13Cが取り込まれていく様子を計測することができた。さらに、解析に用いる代謝モデルを検討し、実測された13C標識ダイナミクスをよく説明する解を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初の計画通り、様々なストレスに暴露した出芽酵母の包括的脂質解析や、脂質代謝経路の13C代謝フラックス解析法の開発を行うことができたため、順調に研究を進められていることができていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの成果を論文にまとめるべく、遺伝子発現データの取得や遺伝子破壊株を用いた検証を進める。さらに、ストレス下酵母の脂質代謝の流れの解析や、その結果に基づいた脂質代謝経路改変株の構築、解析に取り組む予定である。
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