研究課題/領域番号 |
23K13613
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大崎 脩仁 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 産総研特別研究員 (40966082)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 金属ナノ材料 / 金ナノ粒子 / 電気化学 / 酸化ピーク / イムノアッセイ / 電気化学分析 / バイオセンサ / ボルタンメトリー / 抗原抗体反応 |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノ粒子は表面積/体積比の変化に応じてバルク材料とは異なる電気化学反応特性を示す。特に興味深い特性として酸化電位ピークのシフトがあるが、ナノ粒子以外の形状に関しては未解明でありバイオセンサへの応用もされていない。そこで本研究ではこのピーク変化に関してナノロッドやナノプリズム(三角形)、ナノスターといった多様な形状の金属材料を対象に調査、データベース化する。これをもとにナノ材料の形状変化によるピーク電位のシフトを利用した1電極上で複数の抗原を識別、定量できるバイオセンサへと発展させる。
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研究実績の概要 |
本年度は、当該研究に関わる金属ナノ材料の合成方法を学ぶためドイツのライプニズ研究所に赴きProf. Csakiらのグループと共同で実験を行った。合成した金属ナノ材料に対して電気化学特性の解析実験を実施し複数の知見を得た。その結果として、同程度の体積であっても形状によってわずかではあるが酸化ピーク電位に違いがみられ、電気化学的な反応特性が変化することが判明した。 また、様々な粒径の金ナノ材料を入手しその酸化還元反応の解析を行ったところ粒径に応じて酸化ピークがシフトするといった現象もみられた。本酸化ピークシフトにおいては先行研究で見られた同様の現象より大幅にピーク電位が変化しておりこれまでに報告されていない現象が発生している可能性がある。 すなわち形状や粒径に応じて金属ナノ材料の電気化学活性が変化するといった本研究の仮説が実証された形となり、今後のバイオセンサ開発において重要な知見を得ることができた。 そのほかの取り組みとして卑金属の酸化ナノ粒子を用いてのイムノアッセイに取り組んだ。金属の種類に応じて酸化還元電位が変化するため、複数のバイオマーカーを同時に検出できると期待しているが、実際に酸化ピークから金属種を同定するところまで成功した。 また、抗体を粒子上に修飾したところ表面ゼータ電位の変化がみられた。この結果は今後バイオセンサ開発に取り組むにあたって重要なデータであると認識している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究では、金属ナノ材料の電気化学活性の解析とバイオセンサへの応用について取り組む予定である。様々な金属ナノ材料を合成、もしくは購入し網羅的に酸化還元活性の解析に取り組んだが予想以上に興味深い現象が観察できた。また、バイオセンサへの応用においても十分な展望が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り研究を進める。2024年度の予定では実際にイムノアッセイまで行い、金属ナノ材料の特異な性質を生かしたセンサ開発に取り組む。
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