研究課題/領域番号 |
23K13616
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
榎本 航之 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 研究員 (50823556)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | コロイドナノ結晶 / 量子ドット / 半導体材料 / 超格子 / ペロブスカイト / 超周期配列 / コロイド半導体量子ドット / 超構造 / 配位子交換 / ミニバンド / ヘテロ構造 |
研究開始時の研究の概要 |
成膜条件や雰囲気を厳密に制御することで、半導体量子ドット (CQD)の2次元超格子を作製する。脱配位子溶媒蒸気を利用することで、CQDの集合と表面配位子状態の制御を同時に行う。構造解析および分光分析により、CQD超格子の配列様式と光電物性の相関関係を調査する。さらに積層による3次元階層構造へと展開する。精密に配列制御されたCQD超格子を階層化することでエネルギー移動効率や電荷移動度に与える影響を系統的に調査する。得られた知見を元に、CQDのバンドギャップエネルギー特性を組み合わせることで、励起子・電荷の伝搬方向を意識したヘテロ接合構造を作製する。
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研究実績の概要 |
コロイド半導体量子ドット (CQD)超格子膜の創成および構造解析に取り組んだ。ホットインジェクション法により平均粒子径6.8 nmのCsPbBr3CQDを合成し、CQD超格子の作製を試みた。超格子の作製はディップコ ーターとソルベントアニーリングシステムを組み合わせて行い、基板親和性、分散液濃度、引き上げ速度等の条件を変更し、超格子の周期性に与える影響を調査した。また、マスフローコントローラにより溶媒や短鎖配位子の蒸気圧を調整し、溶媒種がCQDの配列状態に与える影響を調査した。TEM観察およびX線構造解析により超格子サイズ・配列様式・CQD間距離・CQD内部の結晶面方位を計測し、CQD配列の長周期性および配列様式に与える因子を調査した。結果、溶媒蒸気または短鎖配位子存在下で成膜することでCQD間距離や配列様式が制御できることがわかった。これは、CQDの集合と表面配位子状態の制御を同時に行ったことで達成された。CQDの集合という動的な過程における配位子交換(動的配位子交換)を成功した初の例である。 ImageJおよびpythonプログラムを用いて、画像処理によるCQD超格子の構造解析に取り組んだ。結果、配位角プロファイルおよび動径分布関数の抽出に成功し、詳細な構造解析が可能になった。本成果は、CsPbBr3CQDのみならず他のコロイド粒子の長周期配列および詳細な構造解析手法の一つとなりえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的の一つである、動的配位子交換によるCQDの超格子膜の配列制御を達成したため。
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今後の研究の推進方策 |
確立した手法を用いて他の組成およびサイズの超格子膜の作製、異種混合超格子膜の作製に取り組む。また、得られた超格子の光学特性評価を行い、集合状態に起因した発光機構の解明に取り組む。
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