研究課題/領域番号 |
23K13630
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 浩史 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (40844717)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 炭素材料 / 電極触媒 / 金属フリー触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
窒素 (= N)ドープカーボンは、特異な電極触媒能、吸着能、電気化学特性を示し、多くの研究者を魅了してきた。特に、燃料電池や金属空気電池において重要な酸素還元反応 (ORR)の金属フリー触媒として、注目を浴びている。本研究では、申請者独自の手法により、ナノレベルで精密に制御し、新規なNドープカーボンを創出する。創出した新規なNドープカーボンに対して、実験及び計算化学の双方を駆使し、ORRにおけるナノレベルでのN種の電極触媒能の根本的な起源を明らかにし、ナノ科学を中心とした幅広い学術分野の発展に大きく貢献する。
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研究実績の概要 |
窒素ドープカーボンは、特異な電極触媒能、吸着能、電気化学特性を示し、機能性材料として知られている。特に、燃料電池や金属空気電池において重要な酸素還元反応 の金属フリー触媒として、注目を浴びている。本研究では、申請者独自の手法により、ナノレベルで精密に制御し、新規な窒素ドープカーボンを創出する。創出した新規な窒素ドープカーボンに対して、実験及び計算化学の双方を駆使し、酸素還元反応におけるナノレベルでのN種の電極触媒能の根本的な起源を明らかにする。 今年度は、窒素ドープカーボンの合成手法の確立を目指した。具体的には、ゼオライトや亜鉛塩をテンプレートとして用いて、窒素ドープカーボンの合成を行った。合成した窒素ドープカーボンに対して、キャラクタリゼーションを行い、合成した窒素ドープカーボンの窒素種を調べた。そして、キャラクタリゼーションの結果をもとにして、再度合成条件へフィードバックし、合成条件の最適化を行った。また、合成した窒素ドープカーボンの酸素還元反応の触媒特性の評価も行った。 ゼオライトおよび亜鉛塩を鋳型とすることにより、エッジサイトの窒素種を多く形成させることに成功した。そして、そのエッジサイトの窒素が酸素還元反応において有効な活性点であることも明らかにした。また、窒素に加えて、第二のヘテロ元素として、リンやフッ素の導入を試みたところ、リンやフッ素の導入により、酸素還元反応の活性が向上することも明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画していたヘテロ元素として窒素を導入した炭素材料の合成手法に関しては、ほぼ確立できており、酸素還元反応に対して高い活性を示す窒素種まで概ね特定できている。また、当初計画になかった第二のヘテロ元素導入にも着手しており、一定の成果も得ている。以上より、当初の計画以上に進展していいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
来年度も引き続き、窒素ドープカーボンに合成手法の改良を行う。合成した窒素ドープカーボンに対して、酸素還元触媒活性およびキャラクタリゼーションを行い、導入された窒素種による酸素還元反応特性の違いについてより詳細に調べる。また、本年度で第二のヘテロ元素を導入することが有効であることを確認できたため、当初の計画にはなかったが、追加的に第二のヘテロ元素の導入手法についても検討を行う。
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