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異種センサ集積化による縦波型多機能ストレッチャブルデバイスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K13647
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分28050:ナノマイクロシステム関連
研究機関東京大学

研究代表者

山本 道貴  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (10963225)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードストレッチャブルエレクトロニクス / コルゲート加工 / センサ / 圧電薄膜
研究開始時の研究の概要

本研究では,金属箔上に複数の薄膜センサを集積化したうえで,金属箔・集積化した薄膜センサをマイクロコルゲート加工によりまとめて縦波構造に加工し伸縮性を付与する,多機能ストレッチャブルセンサの新たな作製方法を提案する.本提案手法であれば,センサの集積化は波状に加工する前の平面基板に対して行うことができるため,既存の薄膜プロセス・既存の設備を組み合わせることで,多様なセンサを高密度に集積化することができ,その後マイクロコルゲート加工を行うことで集積化したデバイス全体に伸縮性を付与することができると期待される.

研究実績の概要

本研究では,垂直方向に波状に加工した金属箔の上に,異なる種類のセンサを高密度に集積した,縦波型多機能ストレッチャブルセンサの開発を目的としている.本研究ではそのための手法として,まず金属箔上に複数の薄膜センサを集積化したうえで,金属箔・集積化した薄膜センサをマイクロコルゲート加工によりまとめて縦波構造に加工し伸縮性を付与することを考えている.
本年度はまず,金属箔上にセンサを形成した後,コルゲート加工によって縦波構造を形成することの可否,ならびに制約条件を明らかにすることを目指し,Al箔金属基板上にPVDF有機圧電薄膜を形成後,コルゲート加工によって縦波構造に加工することを検討した.PVDF有機圧電薄膜の形成法としてはディップコーティングによる成膜を試み,引き上げ速度を変えることで1~8μmの膜厚の有機圧電薄膜を形成することに成功した.また,厚さの異なるPVDF有機圧電薄膜をコルゲート加工によって縦波構造に加工した結果,コルゲート加工後に高アスペクト比を得るためには金属箔上に形成する有機圧電薄膜が薄い必要があること,具体的には,金属箔として厚さ11μmのAl箔を用いた場合,PVDF膜の厚みを5μm厚以下に抑えることで,目標としていた30%以上の伸縮性が得られることを明らかにした.また実際に50%以上の伸縮性を示すストレッチャブル圧電センサを試作し,試作したセンサを用いて,指の曲げの検出が行えることを確認した.
また,温度センサの集積化を念頭に,金属箔上に絶縁膜を介してパターン付き金属配線を形成した後,コルゲート加工によって縦波構造へと加工することを試みた.一方,同構造においては,金属箔・絶縁膜が厚いと,金属配線に大きな曲げ応力がかかってしまい,クラックが生じて抵抗値が安定しなかった.今後,コルゲート加工時の応力を低減する方法をさらに検討する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年は,金属箔上にセンサを形成した後,コルゲート加工によって縦波構造を形成することの可否,ならびに制約条件を明らかにすることを目指し,実際に有機圧電薄膜を金属箔上に形成した後、コルゲート加工によって縦波構造に加工することを検討し,センサ層の厚みの影響について知見を得た.同知見は,提案しているプロセスの実現における重要な部分を占めており,1年目の進捗としては順調であると言える.
一方,温度センサの集積化を念頭に行った,金属箔上に絶縁膜+パターン付き金属配線を形成した後,コルゲート加工によって加工した場合については,曲げ応力の影響により抵抗値が安定しないという結果となった.同部分については,さらなる検討が必要である.
上記をふまえて,総合的には,おおむね順調に進展していると考える.

今後の研究の推進方策

本年度は,金属箔上にセンサを形成した後,コルゲート加工によって縦波構造を形成することの可否,ならびに制約条件を明らかにすることを目指し,実際に有機圧電薄膜を金属箔上に形成した後、コルゲート加工によって縦波構造に加工することで,縦波型圧電ストレッチャブルセンサを試作した.また,提案プロセスを用いたストレッチャブル温度センサの集積化についての検討を開始した.
次年度は,引き続きストレッチャブル温度センサの検討を進めると共に,さらなるセンサの金属箔上への集積化・ストレッチャブルセンサの付与を試みる予定である.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Piezoelectric Stretchable Sensor with a Vertical Wavy Structure Fabricated by Combining Dip Coating and Micro-corrugation Process2024

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Michitaka、Tomita Naoto、Takamatsu Seiichi、Itoh Toshihiro
    • 雑誌名

      International Journal of Precision Engineering and Manufacturing

      巻: - 号: 6 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1007/s12541-024-00980-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マイクロコルゲート加工による縦波型ストレッチャブル微細配線の開発2024

    • 著者名/発表者名
      山本道貴,高松誠一,伊藤寿浩
    • 学会等名
      第38回エレクトロニクス実装学会春季講演大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Piezoelectric Stretchable Sensor with a Vertical-wavy Structure Fabricated by Combining Dip Coating and Micro-corrugation process2023

    • 著者名/発表者名
      Michitaka Yamamoto, Naoto Tomita, Seiichi Takamatsu, Toshihiro Itoh
    • 学会等名
      International Conference on Precision Engineering and Sustainable Manufacturing (PRESM2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Vertical-wavy Structured Stretchable Device Fabricated by Micro-corrugation Process2023

    • 著者名/発表者名
      Michitaka Yamamoto
    • 学会等名
      JCK MEMS/NEMS 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Stretchable Microscale Patterned Interconnects Formed on Micro-corrugated Vertical Wavy Structured Substrate2023

    • 著者名/発表者名
      Michitaka Yamamoto, Seiichi Takamatsu, Toshihiro Itoh
    • 学会等名
      2023 IEEE Sensors
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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