研究課題/領域番号 |
23K13648
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡 智絵美 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70823285)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 磁性ナノ粒子集積構造 / 形状磁気異方性 / 一様磁場印加系 / シリカ被覆 / 磁性ナノ粒子 / ナノマイクロ構造制御 / 自己組織化 / 磁気記録 |
研究開始時の研究の概要 |
社会のデジタル化に伴い,磁気記録媒体の更なる高密度化が求められているが,磁性材料の作製,加工,磁気異方性確保の困難さが問題となっている.磁気異方性が低いと,記録した情報が保たれず,消失してしまう.本研究では,形状磁気異方性が利用できる磁性ナノ粒子直列体に着目し,「次世代磁気記録媒体であるビットパターンメディア応用可能な磁性ナノ粒子直列体集積構造の常温付近大気圧中での作製は可能か」を学術的「問い」とし,直列体作製と高密度集積構造作製を行う.
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研究実績の概要 |
社会のデジタル化に伴い,磁気記録媒体の更なる高密度化が求められているが,磁性材料の作製,加工,磁気異方性確保の困難さが問題となっている.本研究では,形状磁気異方性が利用できる磁性ナノ粒子直列体に着目し,「次世代磁気記録媒体であるビットパターンメディア応用可能な磁性ナノ粒子直列体集積構造の常温付近大気圧中での作製は可能か」を学術的「問い」とし,直列体作製と高密度集積構造作製を目指している.2023年度は,一様磁場印加系の構築と磁性ナノ粒子直列体の作製に取り組んだ. そして,磁性ナノ粒子を配列させるための一様磁場を生成するシステムとしてMerrit 4 coilを採用し,試料が設置される空間を含む20 mm立方体領域での磁束密度差が0.02%以内となる条件をシミュレーションで調べ,システムを作製した.作製したシステムの20 mm立方体領域の磁場一様性は0.42±0.1%以内であり,一様に近い,勾配の小さい磁場が得られると確認できた.電流値3.8 Aの時の中心磁束密度は計算値15 mT,実測値20 mTであった. この磁場印加系を用い,提案した作製方法で磁性ナノ粒子直列体が作製可能かの確認を行った.磁性ナノ粒子として,合成した磁性酸化鉄ナノ粒子 (粒子径22 nm) を用い,磁性ナノ粒子をシリカ前駆体溶液に分散させ,20 mTの磁場を1時間印加し,直列体作製を行った.その結果,長さ約30~200 μmの磁性ナノ粒子直列体が得られた.これにより,微細化は必要であるが,作製した磁場印加系を用い磁性ナノ粒子直列体が作製可能なことが確認できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では,形状磁気異方性が利用できる磁性ナノ粒子直列体に着目し,「次世代磁気記録媒体であるビットパターンメディア応用可能な磁性ナノ粒子直列体集積構造の常温付近大気圧中での作製は可能か」を学術的「問い」とし,直列体作製と高密度集積構造作製を行っている.2023年度は,一様磁場印加系の構築と磁性ナノ粒子直列体の作製に取り組んだ.そして,実際に一様磁場印加系の構築とマイクロスケールの磁性ナノ粒子直列体作製を達成している.このことから,当初の計画以上に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,磁性ナノ粒子直列体のナノスケール化に取り組むとともに,作製条件と得られる直列体構造の関係調査を行う.そして,径15 nm以下,長さ50-100 nmの磁性ナノ粒子直列体が得られる条件を明らかにする.さらに,得られた磁性ナノ粒子直列体の磁気異方性の評価も行う.
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