研究課題/領域番号 |
23K13652
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 大器 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 次席研究員(研究院講師) (60780195)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | マイクロ・ナノスケール合成場 / 微小領域光学分析 / マイクロリアクター / ナノリアクター / マイクロ流体デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ナノスケールで化学反応を行いこれまで未開の領域であったナノスケール特有に発現する化学反応の挙動を明らかにする。ナノサイズの液滴を安定的かつ自在にハンドリングできる流体デバイスを開発してリアルタイム分析することでナノスケール中の化学反応がどのように進行するのかを解析する。ナノスケールに化学種を閉じ込めると、電気陰性度や分子の立体構造などが変化することが示唆されているが、ナノスケールでの特異性が化学反応にどのように影響するのかは明らかになっていない。ナノスケールでの化学反応の特異性を明らかにすることで、細胞内の化学反応の理解に繋がるほか、ビーカーでは不可能な新材料合成へ応用可能である。
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研究実績の概要 |
本研究では、ナノスケールで化学反応を行いこれまで未開の領域であったナノスケール特有に発現する化学反応の挙動を明らかにする。具体的には、ナノサイズの液滴を安定的かつ自在にハンドリングできる流体デバイスを開発してリアルタイム分析することでナノスケール中の化学反応がどのように進行するのかを解析する。 マイクロ流体デバイスを応用することで1-4 μmのメタノール液滴の生成に成功した(Daiki Tanaka et al. Molecules 2024, 29, 1949.)。有機溶媒での超微小反応場を創出することで化学合成への応用が広がった。当該の研究はマイクロ流体デバイス中で発現するテーリング効果を応用することで均一な超微小な化学合成場の創出を行った。これによって化学反応のスケール効果(反応場の大きさの依存性)を明らかにすることが可能となる。 微小領域の化学分析が可能な光学分析機器を開発し特許出願を行った(特願2024-005467)。当該装置は光波長200-500 nmの短波長の蛍光分析が可能である。これまでのマイクロデバイス中での分析機器は、可視光よりも長波長のものが多く金属錯体やタンパク質合成などの分析ができなかった。本研究で開発した蛍光分析装置では金属錯体の合成過程を蛍光ピークの強度の増加及びピークシフトから分析が可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り数百ナノメートルからシングルマイクロメートルスケールの化学合成場の創出に成功して論文化済みである。当該の技術によって金属錯体など有機溶媒を使用した化合成実験が可能となった。しかし、アミノ酸および配位子合成に必要な試薬の納品および合成のスクリーニングが遅れており光学レーザ選定に時間を要している。 マイクロデバイスに特化した光学分析機器を開発したことで微小領域の化学反応の分析が可能になった。当該の装置は合成部分に光を当てることも可能であり、今後は光合成などへの応用も期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ビーカーでは合成が実現していないアミノ酸を用いた金属錯体の合成をナノスケールの反応場で合成・分析することでどのように反応が進行していくのかを明らかにする。さらに、本研究期間中に開発した光学分析器を応用することで光を使った合成や分析手法の確立も可能であると考えている。
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