研究課題/領域番号 |
23K13698
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
喜岡 新 九州大学, 工学研究院, 助教 (80864040)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ウルトラファインバブル / ナノバブル / 月 / 火星 / 水素地下貯蔵 |
研究開始時の研究の概要 |
水素の大量貯蔵技術が進んでいるが、地質学的な水素地下貯蔵は岩塩空洞の利用等に限られており、場所を選ばない汎用的な水素地下貯蔵技術は世界的にも未確立である。さらに地球外での現地水素貯蔵の研究例も乏しい。本研究では、環境に優しく低コストであるウルトラファインバブル(UFB)を用いて、地球だけでなく月や火星の普通の土壌・地下に水素を貯蔵できるかどうかを理解する。室内実験と数値計算を両輪とし、UFBによる「ふつうの地下環境」への水素貯蔵の可能性を検証するだけでなく、土壌構成粒子表面や間隙流体での界面物理化学的側面において、UFBが「どのように」「どのくらい」寄与しているのかという問いに対して明快な回答を与える。
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研究実績の概要 |
場所を選ばない汎用的な水素地下貯蔵技術は、地球上に注目しても世界的に未確立である。そのため、地球外の現地での水素地下貯蔵の研究例も非常に乏しい。本研究では、環境に優しく低コストであるウルトラファインバブル(UFB)を用いて、地球だけでなく月や火星の普通の土壌・地下に水素を貯蔵できるかどうかを理解することを目的としている。UFB技術による水素地下貯蔵の可能性を検証するために、まずは土壌の水素吸着性および月や火星の土壌の透水性を理解することが重要である。そのため初年度では、地球上の土壌の水素吸着性および月や火星の土壌の透水性の評価に重きを置いて、室内実験や分析を行った。初年度の成果としては以下の3点である。 (1)月や火星の普通の土壌の透水性を世界で初めて評価した。例えば、月の高地の土壌では、予想以上に透水性が低いことが示唆された。この結果について、査読付国際誌から論文として出版した。(2)地球上の粘土鉱物の水素吸着性の評価やメソ孔構造の推定を行った。粘土鉱物の比表面積は既存の報告例より大きく、水素地下貯蔵としてのポテンシャルを見出すことができた。これらの結果については国際誌論文として投稿準備中である。(3)安定的なUFB技術によって地球・月・火星土壌中に水素貯蔵するための、H2-UFBシステムの構築を進めた。本研究の実験系においても、安定的にH2-UFBを連続的に生成可能であることを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
UFB技術による水素地下貯蔵の可能性を検証するために必要である、土壌の水素吸着性および月や火星の土壌の透水性を評価することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
初年度では、UFB技術による水素地下貯蔵の可能性を検証するために重要な課題である、土壌の水素吸着性および月や火星の土壌の透水性の理解を進めることが出来た。最終年度では、これらの結果を加味した上で、最適なH2-UFB注入の方法を見つけ、場所を選ばない汎用的な水素地下貯蔵手法を確立することを目指す。その際、ガス注入圧力や気泡数密度など、土壌環境に応じた最適な組み合わせを提案することも目指す。
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