研究課題/領域番号 |
23K13711
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
黒木 菜保子 中央大学, 理工学部, 助教 (70790012)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | イオン水和 / 分子動力学 / 半経験分子軌道法 / 分子間相互作用 / 量子化学 / 水和構造 |
研究開始時の研究の概要 |
新薬や生体適合ナノバイオ材料の開発を進めるには、体内に複数存在するイオンが関わる溶液物理化学を、第一原理分子動力学により解明せねばならない。本研究では、有効フラグメントポテンシャル-分子動力学法(EFP-MD)を用いて、生体イオン濃度を再現した単原子イオンの水和動力学追跡に挑む。数 mM 濃度下でイオンが水素結合ネットワークに与える影響を、分子間相互作用の物理化学起源に遡って明らかにする。
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研究実績の概要 |
新薬や生体適合ナノバイオ材料の開発を進めるには、ターゲット系を構成する原子のみならず、体内に複数存在するイオンの電子状態を、バランスの良い精度かつ低い計算コストで評価可能な理論手法の適用が求められる。2023 年度は、アルカリ金属イオンならびにハロゲン化物イオンと水分子間の相互作用が、周辺環境に与える電子状態変化を明らかにすることを目的として、フラグメント理論に基づく EFP-MD シミュレーションを実施した。さらに、タンパク質を含む大規模系への応用を志向し、当該相互作用やハロゲン結合相互作用に対する種々の半経験分子軌道法の記述精度を評価した。以上により、経験パラメータの適切な再最適化を実施することで、半経験分子軌道法による高速な分子間相互作用ネットワーク評価の可能性を見出した。成果の一部を学会発表すると共に、論文執筆を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究当初の計画通り、EFP-MD シミュレーションによりイオンの水和構造ゆらぎを調査した。積極的な計算コスト削減を目指して、種々の半経験分子軌道法の記述精度も検討し、パラメータ再最適化の指針を得た。関連して、イオン水溶液環境において、ハロゲン結合相互作用を含む大規模系の分子間相互作用ネットワークも評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2023 年度に取得したトラジェクトリデータに基づき、水和構造や分子間相互作用の時間発展挙動を、物理化学起源に遡って詳細に評価する。成果を国内学会にて発表し、論文にまとめる。
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