研究課題/領域番号 |
23K13720
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
冨崎 真衣 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 助教 (40964622)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ファインバブル / 電気化学 / 水電解 / 電気化学反応 / 二酸化炭素の電解還元 |
研究開始時の研究の概要 |
ファインバブル (微細気泡) は特異な性質を有するため、その特性を生かし、洗浄・浄化や有機合成などへの応用が進んでいる。一方、電気化学反応においては、反応を促進するための触媒の使用や、反応を仲介する化合物の添加、気体が反応物となる反応における気体溶解度の低さなどが、環境配慮や反応の効率向上の観点から、改善すべき点として挙げられる。これらの解決策として、ファインバブルを、電気化学反応に対して至便的に活用することを考えた。ファインバブルを含む溶液の電気化学特性を系統的に調査することに加え、気体が反応物となる化学反応における反応特性を吟味し、ファインバブルを電気化学反応で有効に利用することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、ファインバブルを含有する溶液の電気化学反応を詳細に調べることを通して、気体が反応物となる電気化学反応の促進やファインバブルが存在する溶液を利用する際の指針の提示をすることを目的としている。ファインバブル含有溶液の電気化学反応特性を把握することや、気体が反応物となる電気化学反応における反応効率の向上や生成物選択性の制御を達成することを目指す。 本年度は、ファインバブル含有溶液の電気化学特性の調査を進めた。代表的な酸化還元種を含む溶液にファインバブルを共存させ、その溶液の電位走査に対する電流値の挙動を調べた。酸化反応や還元反応に由来するピークの現れる電位やピークの電流値を系統的に調査し、ファインバブルがどの酸化還元反応へ寄与し得るかの知見を得た。酸化還元種には、電極との電子の授受の方法に違いがあるものや、溶液中で正や負に帯電するものなどを用いた。気体の種類や気体の濃度もかえて電気化学反応に及ぼす影響を調査した。ファインバブルの表面電荷の計測も行い、ファインバブルがどのようにして電気化学反応へ影響を与えるかを考えた。今後、計測方法や溶液調製方法を改善し、気泡の表面電荷測定を行う予定である。また、ファインバブル含有溶液の水電解反応への応用を探索する準備も行い、基礎的な水電解の実験を進めた。水電解において、使用する溶液種を工夫することにより、水素と酸素を選択的に発生させることのできる系について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファインバブルと酸化還元種を含む溶液の電気化学特性を把握する実験や、ファインバブルの水電解への応用を目指した基礎実験を進めた。また、反応中に電極界面に存在する化合物を分析する手法の習得も進めてきた。次年度以降、気体が反応物となる電気化学反応へのファインバブルの適用へ進むことができる見通しであり、概ね予定通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
気体が反応物となる電気化学反応を検討し、反応効率や生成物選択性の向上を目指す実験を進める。また、ファインバブル含有溶液の電気化学反応特性の把握に関し、反応中に電極近傍に存在する化合物の分光分析も行う予定である。
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