研究課題/領域番号 |
23K13741
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 康平 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任助教 (90845083)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ラジカル / ヘテロ元素 / 光反応 / ゲルマニウム / リン / ケイ素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではケイ素やゲルマニウムなどのヘテロ元素のラジカル種を狙ったタイミングに自在に提供できる手法の開発を目指す。従来、ラジカル種の生成には外的なラジカル種や光励起された触媒などの他の分子との協働が必要であり、その制御は困難であった。そこで、単一分子の光励起からヘテロ元素ラジカル種の生成が可能になれば、光照射のみで制御できるオンデマンドな手法として幅広い場面で活用できると考え、これを実現する分子開発に挑む。
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研究実績の概要 |
本研究では狙ったタイミングにヘテロ元素ラジカル種を自在に供給できるオンデマンド型のラジカル種生成法の開発を目標とする。単分子の光励起から直接ラジカル種を生成する反応は光照射のみで制御が可能なことから、オンデマンドな手法として活用できると着想し、そのための分子を設計した。はじめに、このヘテロ元素ラジカル種生成のための独自の分子の合成法の確立を目指し検討を行った結果、多様なヘテロ元素に適用できる汎用性の高い合成経路を確立できた。続いて、この分子とラジカルアクセプターとしての2-イソシアノビフェニルを溶解させたジクロロメタン溶液に対し456 nmの可視光を照射したところ、ゲルマニウムやリンのヘテロ元素が導入されたフェナントリジンの生成が確認され、単一分子に対し可視光を照射するのみでゲルマニウムやリンのヘテロ元素ラジカル種を生成できることを実証した。さらに、同様の反応が太陽光にさらすだけでも進行することも確認した。しかしながら、ゲルマニウムの同族元素であるケイ素のラジカル種の生成は見られなかった。そこで、DFT計算に基づきヘテロ元素との結合解離エネルギー(BDE)を算出したところ、ケイ素を含む誘導体のBDEは456 nmの光に相当する63kcal/mol程度であったのに対し、ラジカル種を生成したリンとゲルマニウムの誘導体のBDEはそれよりも少し低い55-60 kcal/mol程度であることがわかり、この値がヘテロ元素ラジカル種生成のための指標の一つであることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初ターゲットとしていたシリルラジカル種の生成は確認できていないが、その同族元素であるゲルマニウムや15族のリンのラジカル種の生成を実験的に実証できたため。また、実験と理論計算に基づき、ヘテロ元素ラジカル種生成のための方針が立てられたため、今後ケイ素も含む様々なヘテロ元素ラジカル種の生成に向けた分子設計が実現できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今回の分子設計の指針に基づき、ゲルマニウムやリンだけでなく他のヘテロ元素ラジカル種の生成するための分子設計を目指す。併せて、今回合成できた分子を用いたフロー法での光反応の実現に向けて反応条件を精査する。
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