研究課題/領域番号 |
23K13787
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
|
研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
山中 信敬 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 助教 (70868778)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | モンモリロナイトK10 / 反応空間制御 / バイオマス由来化合物 / フルフリルアルコール / レブリン酸アルキル / フルフリルアルキルエーテル / ルイス酸・ブレンステッド酸複合触媒 / フルフラール |
研究開始時の研究の概要 |
フルフラール(FFald)からレブリン酸アルキル(AL)をワンポットで合成する場合、ブレンステッド酸触媒によるFFaldやFFalcの重縮合反応が問題となり、ALを効率的に合成することができない。申請者はブレンステッド酸点周りの反応空間の広さが副反応誘起の原因と考え、アルミノシリケート層同士が作り出すナノ空間に水酸基を持つ多価金属イオン交換モンモリロナイトに着目した。本研究では、同空間にNi系合金を担持したワンポットAL合成可能な新規複合触媒の開発に取り組む。この複合化の効果として、Ni系合金の粒径効果、ルイス酸点とブレンステッド酸点の協奏効果の発現によるワンポットAL合成の促進が期待される。
|
研究実績の概要 |
バイオディーゼル燃料添加剤としての利用が期待されているレブリン酸アルキル(ALs)は、ブレンステッド酸触媒を用いてバイオマス由来化合物のフルフリルアルコール(FFalc)と対応するアルキルアルコールから合成することができる。しかし、この際、FFalcの自己縮合反応が競争的に進行するため、ALsを高収率で合成する触媒の報告例は少ない。申請者はブレンステッド酸点周りの反応空間の広さが副反応誘起の原因と考え、アルミノシリケート層が作り出すナノ空間に水酸基を持つモンモリロナイトK10(Mont K10)に着目した。Mont K10をFFalcからのALs合成に用いたところ、これまでに報告されているブレンステッド酸触媒(無機酸、ヘテロポリ酸、陽イオン交換樹脂など)よりも遥かに高い収率で目的物を合成することに成功した。ハロイサイトとカオリナイトもまた層間に水酸基を持つため、これらを同反応に用いたところ、活性は劣るものの(活性はブレンステッド酸量と正の相関)、副反応の大幅な抑制が確認された。以上より、FFalcの自己縮合反応を抑制するためには、ブレンステッド酸点周りの反応空間を制御することが重要であることが明らかとなった。また、Mont K10を用いたFFalcからのALs合成の経時変化結果から、フルフリルアルキルエーテルが主な中間体であることが明らかとなった。この化合物はガソリン添加剤としての利用が期待されている。反応条件を詳細に検討した結果、既報の触媒よりも高い収率で合成することに成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モンモリロナイトK10の層間に存在する交換性陽イオンを多価金属イオンに交換した後、フルフリルアルコールとアルキルアルコールからのレブリン酸アルキル合成に応用し、触媒性能と酸性質の関係性を明らかにするところまでが今年度の研究計画であった。交換すべき多価金属イオンは残り1種類であるため、おおむね順調に進展していると評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、フルフラール(FFald)からフルフリルアルコール(FFalc)を経由してレブリン酸アルキル(ALs)をワンポットで効率的に合成する触媒プロセスの開発である。今後、FFaldからFFalcを効率的に合成する触媒を開発した後、FFalcからALsを効率的に合成した多価金属イオン交換モンモリロナイトK10と組み合わせることで、本研究目的の完遂を目指す。
|