研究課題
若手研究
次世代医薬品であるペプチド薬の弱点は体内で容易に分解されることである。これまでリポソーム等に内包することで安定化が模索されたが内包効率が非常に低かった。近年申請者は、生分解性高分子(ポリサルコシン)と糖鎖の結合体が、水素結合を駆動力として水中でナノサイズの分子集合体を形成することを見出した。ペプチドは水素結合を形成するアミド結合を多数持つため、この集合体への効率的な内包が期待される。さらに、ポリサルコシンと糖鎖の結合部分に酸応答性乖離基を導入しておくことで、ペプチド薬を内包した本集合体ががん近傍の局所的酸環境に応答することで崩壊し、ペプチド薬を放出するスマート薬剤送達システムの構築を目指す。