研究課題/領域番号 |
23K13804
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
江部 日南子 山形大学, 理学部, 助教 (90962762)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ペロブスカイトナノ結晶 / 電荷移動錯体 / 発光材料 |
研究開始時の研究の概要 |
層状ペロブスカイトは、優れた光物性もつ一方で、低い電荷輸送性が課題である。一方、剛直かつ嵩高い有機分子の導入は、ペロブスカイト結晶の歪みを引き起こし、導入が困難である。本研究では、電子ドナーおよびアクセプター分子から成る電荷移動錯体(CT)を機能増強型配位子として導入し、光・電子物性の両立を目指す。立体障害の低い分子状CTは、層状ペロブスカイトの配位子として用いることができる。また、分子選択によりバンド構造を自在に制御し、量子井戸構造の調整に有用である。以上より、機能増強型CT配位子の導入により、高発光かつ高伝導なCT-ペロブスカイト複合化結晶を創出し、発光デバイスの高性能化を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、ペロブスカイトナノ結晶および電荷移動 (CT) 錯体複合膜の創出とエネルギー移動機構を利用した新規エネルギー変換材料への応用を目指す。当年度は、一段階溶液プロセスによるCT-ペロブスカイト複合膜の作製と材料物性評価を実施した。 CT-ペロブスカイト複合膜は、電子アクセプター分子の1, 2, 4, 5-テトラシアノベンゼン、電子ドナー分子のピレンをペロブスカイト前駆体溶液に混合し、一段階スピンコート法によりの作製した。得られたCT-ペロブスカイト複合膜は、X線回折測定および紫外-可視吸収スペクトルよりペロブスカイトおよびCTの形成を確認した。また、CT-ペロブスカイト複合膜の蛍光スペクトルより、ペロブスカイトに由来する発光ピーク強度の大幅な低下と同時にCT発光の出現を確認した。CT-ペロブスカイト複合膜におけるCT発光の励起スペクトルより、ペロブスカイトに起因するピークが示した。さらに、蛍光寿命測定より、消光を示したペロブスカイト発光の短寿命化を確認し、ペロブスカイトからCT錯体へのエネルギー移動が示唆され。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度は、一段段階溶液プロセスによるCT-ペロブスカイト複合膜を作製し、材料間のエネルギー移動を明らかにし、実験計画に沿った研究成果が得られた。以上より「概ね順調ぬ進展している」と結論付けた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、CT-ペロブスカイト間のエネルギー移動機構を解析するため、複合膜の構造依存性およびエネルギー準位依存性を検証する。
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