研究課題/領域番号 |
23K13807
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鶴田 諒平 筑波大学, 数理物質系, 助教 (40909446)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 有機半導体材料 / 走査プローブ顕微鏡 / 有機半導体単結晶 / エピタキシャル界面 / 表面科学 |
研究開始時の研究の概要 |
高品位な有機pn接合界面の実現は、有機エレクトロニクスの鍵となる技術である。本研究では、非常に均一な「有機単結晶」の表面を利用した有機-有機pnヘテロエピタキシャル成長技術を確立するため、その初期過程をプローブ顕微鏡による直接計測に基づいて理解する。これに基づき有機pn界面のさらなる精密制御を実現し、その電子状態やキャリア移動特性を、角度分解紫外光電子分光法や時間分解光電子顕微鏡などの独自計測手法によって評価し、その応用を提案する。
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研究実績の概要 |
有機薄膜太陽電池をはじめとする有機エレクトロニクスにおいて、有機pnヘテロ界面が本質的な役割を担う。しかし、有機のヘテロ界面は非常に制御性が悪いことが知られてきた。これは、弱い相互作用からなる有機薄膜の構造が不均一を含みやすく、ヘテロ積層界面ではさらに不均一の度合いが増すためである。本研究では有機単結晶を舞台にすることにより有機-有機エピタキシャル成長による高品位界面の作製を目指し、このエピタキシーの理解、制御に向けた成長初期過程の理解を目的とするものである。 この理解に向けて本研究ではSTMやAFMによる走査プローブ顕微鏡微視的表面計測と放射光斜入射X線回折法による巨視的結晶構造計測を行う。 2023年度は本研究における有機ー有機エピタキシャル成長界面の舞台となる有機半導体単結晶を安定的に用意するために専用の物理気相成長法有機単結晶作製装置の準備をすすめている。この装置を用いて走査プローブ顕微鏡でのエピタキシャル界面形成初期過程の微視的表面計測が可能な大面積かつ平坦な有機半導体単結晶の作製を試みている。 一方で新規n型有機半導体分子BTANC(5,6,13,14-tetraazapentacene)の金属単結晶基板上における単分子膜形成を行い、その表面構造の走査トンネル顕微鏡観察と電子状態の光電子分光による計測に関する成果をThe Journal of Physical Chemistry C誌に掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は専用の有機単結晶作製装置の導入を進めた。しかしながら、走査プローブ顕微鏡で実測するための大面積かつ平坦な有機単結晶の作製には至っていない。これに伴い有機単結晶の実測には取りかかれておらず、金属単結晶上における有機半導体材料の走査トンネル顕微鏡計測のみとなっている。以上を考慮し,現在までの進捗状況は「やや遅れている」と評価される。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は十分な高品位有機半導体単結晶の作製を進めるとともに、有機半導体単結晶の走査トンネル顕微鏡観察に向けた試料帯電緩和レーザーの導入を進める。これにより有機半導体単結晶上におけるエピタキシャル界面成長初期過程の微視的表面計測を行う予定である。
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