研究課題
若手研究
Fe4+などの異常高原子価イオンを含む酸化物は、高価数状態の不安定性の解消に伴う電荷転移に起因して、巨大熱量効果などの重要な物性を示す。これらの機能特性の向上を含め本物質系の研究を大きく発展させるためには、特性発現の鍵となる電荷転移の制御を結晶構造の観点から行うことが不可欠であるが、報告物質が少なく結晶構造が強く制限されている事が大きな課題となっている。そこで本研究では、異常高原子価Feを含む複合アニオン化合物にまで探索範囲を拡大し、構成カチオンの秩序配列やFe周りの配位環境等の制御を行い、結晶構造の観点から価数不安定性の解消に伴う電荷転移を制御し、従来にはない新規物性・機能性の発現を目指す。