研究課題/領域番号 |
23K13835
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
小林 駿 一般財団法人電力中央研究所, エネルギートランスフォーメーション研究本部, 主任研究員 (10884223)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 二酸化炭素還元 / 固体高分子形燃料電池 / 白金触媒 / メタン生成 / 単結晶 / イオン液体 / 電極触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
固体高分子形燃料電池(PEMFC)を用いたCO2の電気化学的還元が脱炭素に向けて期待されている。しかし、白金電極では水素発生が優先して進行するため、CO2還元の電流効率向上と還元メカニズムの解明が重要課題となっている。本研究では単結晶電極とイオン液体を組み合わせることで、電極表面のプロトン/CO2/水の存在比を制御して電流効率の向上とCO2還元過程のメカニズム解明を試みる。制御が難しかった種々の要素を多角的に解析する事により、次世代CO2還元電極触媒の創出を図る。
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研究実績の概要 |
固体高分子形燃料電池(PEMFC)を用いた、CO2の電気化学的還元が脱炭素化に向けて期待されている。白金触媒を用いた酸性条件下における二酸化炭素の電気化学的還元は、通常であれば水素発生が優先して進行するため、二酸化炭素還元のファラデー効率(電流効率)向上と還元メカニズム解明が重要課題となっている。 本年度では、研究項目の1つである水溶液中におけるCO2還元基礎特性の解明を行った。白金の多結晶電極を用いて、酸性条件下である過塩素酸水溶液を電解液として、CO2還元反応の基礎特性を明らかにした。測定中のCO2濃度と過塩素酸濃度を変化させることで、白金電極表面のCO2濃度とpH変化による影響を評価した。その結果、酸性条件下においては、CO2還元の中間体である表面吸着COの生成電位はpHに影響しないことが確認できた。また、過塩素酸の表面特異吸着アニオンによる影響によって、表面吸着プロトンの吸着脱離の電位シフトが発生するが、この電位シフトの影響についても特に見られずに、0V vs. RHEでCO2が還元する事を確認した。 CO2濃度による影響については、CO2濃度が高いほど表面吸着COの生成量も大きくなることが確認されたと共に、還元電位はどのCO2濃度においても変化がないことが明らかとなった。また、表面吸着COの生成電位が大きく2つに分かれており、CO2濃度の変化に伴って異なる吸着構造を有する事が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目1で検討予定であった、水溶液中におけるCO2還元基礎特性について評価を行い、白金電極にて二酸化炭素還元の依存性について検討しており、研究実施計画に従いおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね当初の予定通りに推進する。令和6年度では水溶液中におけるCO2還元基礎特性の解明について引き続き検討を行うと共に、単結晶電極を用いた解析についても実施する予定である。また、最適なイオン液体の探索もあわせて行う事で、CO2還元のメカニズム解明を試みる。
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