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パルプ製造廃液から生分解性ポリマー原料の大量生産の実現

研究課題

研究課題/領域番号 23K13875
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分38020:応用微生物学関連
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

荒木 拓馬  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 研究員 (40842307)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードリグニン / アルカリ酸素蒸解 / 2-ピロン-4,6-ジカルボン酸 / Pseudomonas属細菌 / バイオものづくり / 物質生産 / パルプ製造廃液
研究開始時の研究の概要

石油に依存しないマテリアル生産系の開発には植物細胞壁の主要成分であるリグニンの有効利用が鍵となる。近年、微生物の代謝機能を利用しリグニンの化学処理で生成する多様なリグニン由来化合物から2-ピロン-4,6-ジカルボン酸 (PDC)を含むさまざまなポリマー原料の発酵生産が試みられている。しかし、そのいずれも工業的に適用可能な生産濃度に達していない。本研究では、Pseudomonas属細菌を用いてさまざまなリグニン由来化合物から高収量・高収率でPDCを生産する微生物株を作出する。そして、木材のアルカリ酸素蒸解で生成し雑多なリグニン由来化合物を含むパルプ製造廃液からPDCの大量生産が可能かを検証する。

研究実績の概要

木材のアルカリ酸素蒸解で得られる黒液を原料とした2-ピロン-4,6-ジカルボン酸 (PDC)の大量生産系の開発を目指して、本年度は黒液中に主要に含まれるバニリン (VN)、バニリン酸 (VA)、シリンガアルデヒド (SN)、シリンガ酸 (SA)からのPDC生産系の構築を行った。広域宿主ベクターpSEVA241に、Pseudomonas属細菌由来のVA O-デメチラーゼ遺伝子 (vanAB)、およびp-ヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ遺伝子 (pobA)と、Sphingobium lignivorans SYK-6株由来のプロトカテク酸4,5-ジオキシゲナーゼ遺伝子 (ligAB)、CHMSデヒドロゲナーゼ遺伝子 (ligC)、3-O-メチルガリック酸3,4-ジオキシゲナーゼ遺伝子 (desZ)、VNデヒドロゲナーゼ遺伝子 (ligV)、SNデヒドロゲナーゼ遺伝子 (desV)、およびアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子 (bzaA)を高発現プロモーター制御下で導入することでPDC生産プラスミドを作製した。作製したプラスミドをPseudomonas putida PpY1100株に導入することでPDC生産株を得た。作出したPDC生産株を5 mMのVN, VA, SN, またはSAをそれぞれ含む培地で培養した結果、各化合物を95%以上のモル収率でPDCに変換できることが明らかとなった。以上のことから、黒液中の主要化合物であるVN, VA, SN, およびSAから高効率にPDCを生産する微生物株の開発に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は当初の計画通り、黒液中の主要化合物であるバニリン、バニリン酸、シリンガアルデヒド、およびシリンガ酸からそれぞれ95%以上のモル収率でPDCを生産する微生物株の開発に成功した。よって、全体の進捗状況としては「おおむね順調に進展している」と判断した。

今後の研究の推進方策

本年度に作出したPDC生産株を使用し、ジャーファーメンターを用いた流加培養によるPDC生産が可能かを検証する。すでに、バニリン酸を基質とした流加培養によるPDC高濃度生産条件は確立済みである。本条件をもとに、バニリン、シリンガアルデヒド、またはシリンガ酸を基質とした場合の基質添加時期・添加濃度、溶存酸素量の最適化を行い、各基質から得られるPDCの最大収量・収率を明らかにする。さらに、黒液中の化合物濃度の比を模した基質混合溶液を調製し流加培養を行うことで、複数基質が存在する場合の培養への影響と、得れられるPDCの最大収量・収率を調査する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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