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脂溶性情報伝達分子の過酸化によるフェロトーシス誘導の分子機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K13888
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分38030:応用生物化学関連
研究機関静岡大学

研究代表者

加藤 主税  静岡大学, 農学部, 助教 (70913250)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワードフェロトーシス / 過酸化脂質 / ジアシルグリセロール
研究開始時の研究の概要

私たちの身体は日常的に酸化ストレスに晒されている。フェロトーシスは、酸化ストレスによって生じたリン脂質の酸化物(PLOOH)によって誘導される細胞死と考えられ、様々な疾患との関連から多くの注目を集めている。しかし、PLOOHによるフェロトーシス誘導の詳細な分子機構はほとんどわかっておらず、我々は、PLOOHが脂溶性情報伝達物質の酸化物であるDAGOOHへと代謝され、DAGOOHがフェロトーシス誘導の鍵となると考えた。本研究の成果はフェロトーシスの分子機構の解明や、これまで酸化ストレスが関与するとされてきた疾病の病態解明、新たな予防法・治療法を考える際の拠点になることが期待される。

研究実績の概要

令和5年度の計画であるリン脂質の酸化物(PLOOH)から脂溶性情報伝達物質の酸化物(DAGOOH)への代謝機構の評価に向けて、細胞試料中のDAGOOH分析条件の改善を実施した。LC-MS/MS分析については、合成したDAGOOH標品を用い、Naを使用することで異性体レベルでの分析条件を構築できた。細胞試料からのDAGOOHの抽出方法は引き続き添加回収試験により検討しており、最適化後細胞におけるPLOOHからDAGOOHへの代謝を評価する。また、これまでに培地中のα-トコフェロール(Toc)の有無を調節することでフェロトーシスの誘導が可能なグルタチオンペルオキシダーゼ4欠損(GPX4 KO)HepG2を作製している。この細胞を用いて、フェロトーシス誘導に対するスフィンゴミエリン合成酵素(SMS)の阻害剤やDAGの標的であるProtein kinase C(PKC)阻害剤の影響を検証した。結果、PLOOHを処理した場合と同様にSMS網羅的阻害剤のD609やPKC網羅的阻害剤のGo6983のフェロトーシス抑制効果を確認できた。さらに、siRNAにてGPX4 KO HepG2のPKCαやδをsiRNAにてノックダウン(KD)したところ、PKCδのKDでフェロトーシスの阻害が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目の計画であったDAGOOHの分析条件の構築については、合成したDAGOOH標品を用いてLC-MS/MS分析による異性体分析条件を最適化できたが、細胞試料からのDAGOOHの抽出方法の構築は現在も検討している。一方で、2年目の計画であったSMSやPKCのisoformの特定については、まずPLOOHを処理したHepG2だけでなくGPX4 KO HepG2を用いてSMSとPKCのフェロトーシスに対する影響を確認したところ、阻害剤で同様の結果が得られた。そこで、GPX4 KO HepG2のSMSやPKCをsiRNAによるKDしたところ、PKCδのKDがフェロトーシスを抑制することを見出した。これらの結果から、計画の進め方に変更があったものの、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

引き続き細胞試料からのDAGOOH抽出条件の改善と、SMSやPKCのisoformの特定を進めていく。DAGOOHの抽出条件の構築は、Folch法による総脂質の抽出と、固相抽出による精製方法(中性脂質の分画と、トリグリセリドやコレステロールエステルの除去)を検討していく。条件を最適化した後に、HepG2 (野生型やGPX4 KO) へPLOOHを処理し、DAGOOHへの代謝を評価する。Isoformの特定は、引き続きsiRNAで実施していくと共に、それぞれの酵素のテトラサイクリン発現誘導システムを用いた過剰発現株を作成して、フェロトーシスへの影響をより詳細に解析していく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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