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隣接型分岐を含む新たな澱粉構造モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K13908
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分38050:食品科学関連
研究機関静岡県立大学

研究代表者

本田 千尋  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (20908842)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード澱粉 / オリゴ糖 / 構造解析 / アミロペクチン
研究開始時の研究の概要

人類にとってカロリー源として最も重要な物質である澱粉は、分岐を含むグルコースの重合体であることは良く知られている。しかしながら、澱粉の微細構造は十分に解明されていない。最近、研究代表者は、これまで存在しないと考えられていた「隣接型分岐」の構造を澱粉中から見出した。隣接型分岐は物理的に密な構造であると予想されるため、隣接型分岐を澱粉の微細構造に取り込むことで、現在の澱粉構造モデルを発展させた、新しい構造モデルが構築できると考えた。本研究では、澱粉の新しい構造モデルの構築を目指し、隣接型分岐に関する実験に取り組む。

研究実績の概要

澱粉構造中の隣接型分岐を含む領域は、米澱粉を豚膵臓α-アミラーゼとグルコアミラーゼで十分に消化しても残存するオリゴ糖として得ることができる。これまでに重合度6と7のオリゴ糖が残存することを報告しているが、その他に重合度9と10のオリゴ糖が澱粉の酵素消化で残存することも見出している。酵素消化で残存する特性から、重合度9と10のオリゴ糖は非還元末端側に隣接型分岐を持つこと、さらに還元末端側に少なくとも1つの分岐を持つことが予想されるため、重合度9と10のオリゴ糖の構造解析を行うことで、隣接型分岐の周辺構造の情報が得られると考えた。
米澱粉の酵素消化産物より、重合度9と10のオリゴ糖の精製を試みたが、NMR解析に必要な精製物を得ることができなかった。そこでMS/MS解析を行い、得られたフラグメントから構造を推定した。還元末端を区別するために、1-フェニル-3-メチル-5-ピラゾロンを用いて、オリゴ糖の還元末端を誘導体化した。マルトヘキサオース、イソマルトヘキサオース、DP6-1、マルトヘプタオース、イソマルトヘプタオース、DP7-1のMS/MS解析から、α-1,4結合はα-1,6結合より開裂しやすく、また、1回の開裂で生成するフラグメントイオンの強度は、2回以上の開裂を必要とするフラグメントイオンの強度より強いことが分かった。この傾向から、米澱粉の酵素消化産物に含まれる重合度10のオリゴ糖は、非還元末端にDP7-1、還元末端に63-グルコシル-マルトトリオースを組み合わせた構造であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

米澱粉の酵素消化産物に含まれる重合度9と10のオリゴ糖のNMR解析を行うために精製に取り組んだが、精製が困難であることが判明し、構造を決定することができなかった。しかしMS/MS解析におけるフラグメントイオンの傾向から構造を推定することができたため、概ね順調といえる。

今後の研究の推進方策

米澱粉の酵素消化産物に含まれる重合度9と10のオリゴ糖の構造を決定する。具体的に、NMR解析ができる量の精製物を得ることが難しいため、重合度9と10のオリゴ糖の酵素消化を行い、得られた生成物から構造推定し、MS/MS解析から得られた構造と一致するか検討を行う。また、米澱粉の酵素消化産物に隣接型分岐がどの程度含まれているか定量を行うが、定量のためのオリゴ糖標品がないため、はじめに定量法について検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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