研究課題/領域番号 |
23K13914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
小高 愛未 東京農業大学, 応用生物科学部, 研究員 (60845890)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | スルフォラファン / SREBP / 脂質合成 / 骨格筋 / サルコペニア肥満 / 肝臓 |
研究開始時の研究の概要 |
生活習慣病が多様化する近年、筋萎縮と肥満が合併したサルコペニア肥満が問題視されている。食品成分スルフォラファン(SFaN)は、Keap1-Nrf2経路を介してがんや糖尿病予防に効果があることが報告されているが、私たちはSFaNがNrf2非依存的に脂質合成を抑制することを報告している。本研究では、SFaNによる骨格筋の萎縮抑制効果の可能性とその効果へのNrf2の関与を検討する。さらにSFaNの新規結合因子を同定し、肝臓においてSREBPを介して脂質合成を抑制する詳細なメカニズムを明らかにする。Keap1-Nrf2経路非依存的のSFaNの機能を解明することで、サルコペニア肥満の予防・改善を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、食品成分のひとつであるSFaNがNrf2非依存的にサルコペニア肥満を予防・改善する可能性を検討することを目的とし、①SFaNが筋萎縮を抑制することで骨格筋量及び機能を維持する効果の検討と、②SFaNがSterol regulatory element-binding protein (SREBP)を介して肝臓での脂質合成を抑制する詳細な作用機序の解明、の2点に取り組んでいる。令和5年度は主に、この目的を達成するために設定した2つのテーマのうち、<テーマ2>SFaNの新規結合分子の同定について主に取り組んだ。SFaNを結合させた化合物ビーズを、Huh-7細胞から抽出したタンパク質溶液と反応させ、ビーズに結合したタンパク質を質量分析にて同定した。その結果、SFaNに結合するタンパク質が多数同定された。同定されたタンパク質をHEK293細胞に過剰発現させ、SFaNを結合させた化合物ビーズに実際に結合するか確認したところ、複数の候補分子で結合が確認された。その中の1つ、Acyl-Protein Thioesterase 2 (APT2)に注目し、SFaNとの結合様式の解明や、SFaNと結合することによって生体にどのような影響があるのかの機能的な解析を進めた。その結果、SFaNがAPT2のパルミトイル化を減弱させることを明らかにした。現在、その成果を論文としてまとめ、雑誌に投稿中である。<テーマ2>SFaNの骨格筋維持効果の検討に関しては、SFaNの筋萎縮への効果を検証するためにDexamethasone及びルイス肺がん由来細胞LLCの培養上清を予定通り用いたが、細胞の状態の維持や、薬剤の適正濃度の検討に時間を要してしまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的を達成するために設定した2つのテーマのうち<テーマ2>は進めることができている。しかし、<テーマ1>SFaNの骨格筋維持効果の検討を行うにあたり、C2C12の筋分化は問題なく行うことができたが、Dexamethasone及びルイス肺がん由来細胞LLCの培養上清を用いた筋菅の萎縮を再現することができず、SFaNの筋萎縮への効果を検証するまで至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
<テーマ1>では、細胞の状態を適切に維持し、筋菅の萎縮を再現できる状況を整えたうえで、SFaNの筋萎縮への効果を検証できるようにする。<テーマ2>では、注目したSFaNの新規結合分子の解析をまとめた論文を早い段階で発表できるようにする。
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