研究課題/領域番号 |
23K13968
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松林 志保 関西学院大学, 総合政策学部, 准教授 (60804804)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 鳥類行動観測 / 生物音響 / マイクロフォンアレイ / ロボット聴覚 / リモートセンシング / 保全生態学 / 生物多様性 / 野生動物行動観測 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題はこれまで試行してきたマイクアレイとロボット聴覚による位置情報付き音声解析手法を発展させ,多様な行動様式を持つ鳥類の2次元、3次元の定位手法を確立し,音景観及び生息地空間内における種内・種間の相互作用の解明と生態理解を試みる。同時に、再現検証性が高くかつ観測対象種へのストレスを低減できるという保全上の利点を生かし、生態系の回復具合の間接的評価にもつなげる。
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研究実績の概要 |
本研究は、指向性マイクとロボット聴覚を活用することで、ある特定の鳥種の歌コミュニケーションが、生息地のどこでどのように行われるのかを観測し、その知見を観測対象種の生息実態の把握や生息地保全へ応用することを目的とする。当該年度は各調査地にて鳥類の観測を実施した。具体的には下記3点の課題に取り組んだ。まず第1に、視覚による直接観測が困難な夜行性・森林性フクロウの縄張り推定や求愛期から巣立ちにわたる繁殖行動全般を観測した。第2に、草原性のヒバリや希少種オオジシギなど、上空で飛行しながら歌を含む音を発する種の飛行行動を観測を試みた。第3に、これらの定位結果と人間の観測員による観測結果の比較により音源定位精度の検証を試みた。 これらの観測成果は、日本鳥学会およびアメリカ鳥類学会とカナダ鳥類学会の合同会議であるAOS & SOC-SCO にてポスター発表し、鳥類生態、生物音響、およびロボット聴覚分野の専門家からフィードバックを得た。今後はこれらのコメントを反映させ、観測対象種の行動特性、音声特性に併せた観測手法、音声解析手法、行動の可視化手法の洗練に取り組む。 野生動物観測現場において、観測個体への負担を軽減させた手法の確立は動物倫理・福祉の側面からも重要な意義を持つ。対象に非接触かつ詳細な時空間データの収集を可能にしうる当該技術の汎用性を検証を通して観測技術開発現場へのフィードバックにつなげる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
異動先の新所属機関の授業のスケジュール上、当初予定していた長期滞在型調査が困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
国内外の調査地にて観測対象鳥類の歌行動観測を継続実施し、その成果をロボット聴覚、人工知能、生態系の学会で発表、一部を論文にまとめ投稿する。
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