世界最古の造園書とされる『作庭記』について、歴史学の手法を導入することにより、成立した時代背景の解析を行い、その著者像に迫ることを目的とする。 日本庭園の技術をユネスコ無形文化遺産に登録しようとする動きがあるなか、造園学には、伝承されてきた技術に関する知見を提供するという重要な役割がある。そのためには、最古の造園書という原点となるものの特徴を押さえておくことが必須であり、当時の政治・社会・文化などを含めた総合的な再調査を行いつつ、著者の人物像を掴んでいく。これにあたって、歴史学で蓄積されてきた政治史・社会史などの知識やアプローチ方法を導入する。
|