研究課題
若手研究
森林伐採時に樹木を残す保持林業は、公益的機能維持と木材生産とを両立させる森林管理として提唱され世界的に広く普及してきた。この保持林業の日本での社会実装を進めるには、合意形成の基盤となる保持林業の社会的価値の把握や、費用便益の比較が必要となる。本研究では、一般市民が保持林業をどの程度支持し、その実施に費用を支払うのか(支払い意思額)を森林の審美的価値に着目したアンケートによって調査する。また、保持林業による経済損失を日本各地の広葉樹が侵入した人工林での植栽木の成長量調査から推定する。最後に両者を用いて費用便益分析を行い、保持林業の社会的価値が最も高くなる導入方法を経済的視点から明らかにする。