研究課題/領域番号 |
23K13994
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野村 高志 京都大学, エネルギー科学研究科, 特定研究員 (60973790)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | バイオマス / 触媒変換 / 静電気 / 急速熱分解 / 熱分解 / コロナ放電 |
研究開始時の研究の概要 |
木材を中心とする木質バイオマスは、世界の1次エネルギー需要の5-6倍に達する有機資源であり、化石資源の代替としての利用拡大が求められている。本研究は、木質バイオマスの変換法として熱分解法に着目し、特に熱分解により生成した揮発生成物の気相における反応制御について検討する。具体的にはコロナ放電による揮発生成物の凝集挙動の制御と触媒を用いた化学反応の制御を組み合わせて揮発生成物を自在に有用な化学物質や原料へと変換することを目指す。これらの成果は、木質バイオマスの熱化学変換技術の実用化に有用である。
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研究実績の概要 |
急速熱分解法は化学的・物理的に強固な高分子化合物の集合体である木質バイオマスを効率的に低分化し、揮発生成物へと変換する手法である。これまでの検討において赤外線加熱を用いた急速熱分解ではセルロース試料から目に見えるミスト状生成物と目には見えないガス生成物が生成し、コロナ放電により発生する静電気によりミスト状生成物が選択的に凝集することを明らかにしている。本研究課題では静電気を用いてミスト状生成物を触媒表面に凝集し、触媒変換することで様々な有用化学物質を生成することを研究目的とする。令和5年度の研究ではタンデム・マイクロリアクターとGC/MSを用いた熱分解・触媒変換の検討について検討した。この装置ではバイオマス試料やモデル物質の熱分解とその熱分解生成物の触媒変換を同時に行うことができる。この装置においてキャリアガスを水素から窒素へと変更しより熱分解条件に近い雰囲気下で検討を行うことができるようなり、触媒を用いた検討を進めている。現在金属触媒を用いた触媒変換を行っている。また、コロナ放電を用いた検討についても同時並行で行っており、常温においてステンレス板に選択的にミスト状生成物を凝集させることが可能となっている。このように本研究課題を達成するための研究基盤が整っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題を実施する上で様々なバイオマスを種々の触媒で変換する検討をする必要がある。このため、熱分解と触媒変換を同時に実施可能なタンデム・マイクロリアクターを窒素雰囲気下で使用可能となったことは研究において大きな前進となった。現在、様々な温度条件及び触媒下で検討を行い、有望な条件において実際に静電気下での検討も行っている。このようにタンデム・マイクロリアクターを用いたスクリーニング実験と実際に近い環境下での試験を行うことでそれぞれの検討において出てきた課題を両方面から解決に導くことが可能となっている。このような理由で、“概ね順調に進展している”と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度の研究により触媒変換と静電気を用いた変換についての研究基盤が整った。令和6年度においては用いるバイオマス資源及び触媒を様々に変更し、より広範な検討を行っていくことを予定している。具体的にはこれまでの検討ではセルロースやその主要な揮発熱分解物であるレボグルコサンを用いた検討をしてきたが、今後はリグニンを用いた検討も行っていきたいと考えている。これらと並行して熱分解条件についても検討し、熱分解生成物の選択性も向上することでその後の変換経路を単純化することについても挑戦していく予定である。
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