研究課題
若手研究
植物細胞壁を構成する木質高分子は、非共有結合により互いに強固に結束し、三次元マトリックス構造を形成している。これらのマトリックス構造を解砕し、木質高分子を溶解・分離するためには一般に多大なエネルギーを要する。申請者は本研究において、分子性の錯体触媒を用いることで、「穏和な条件での木質細胞壁の解砕」と「木質高分子の官能基変換」を同時に達成する手法を確立し、木質バイオマス(木粉)から機能性高分子を単段階かつ低エネルギー負荷で合成する技術基盤を構築する。低分子量モデル化合物を用いた錯体触媒のスクリーニングからスタートし、3年間で錯体触媒の開発・反応条件の最適化及び得られる材料の用途開拓を行う。