研究課題/領域番号 |
23K14000
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
立岡 美夏子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生命理工学センター), 研究員 (70835967)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | セルラーゼ / 深海 / バクテリア / セルロース / 分解 / セルロース分解 / 深海細菌 / 糖質関連酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光が届かず貧栄養環境下にある深海には、難分解性の有機物であるセルロースの分解に特化した細菌が多数存在し、陸上微生物等とは大きく異なるセルラーゼを持つことが明らかとなってきた。高圧・低温・貧栄養の極限環境で獲得された独自の分解機構の解明は、結晶性セルロース分解の効率化に向けた新たな道筋となることが期待されるが、その詳細な分子機構は全く明らかになっていない。本研究では、プロテオーム解析を主軸とする統合的オミクス解析と、主要なセルラーゼの分子レベルでの詳細な機能解析によって、深海微生物のユニークなセルロース分解機構を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
太陽光が届かず貧栄養環境下にある深海には、難分解性の有機物であるセルロースの分解に特化した細菌が多数存在し、陸上微生物等とは大きく異なるセルラーゼを持つことが明らかとなってきた。高圧・低温・貧栄養の極限環境で獲得された独自の分解機構の解明は、結晶性セルロース分解の効率化に向けた新たな道筋となることが期待されるが、その詳細な分子機構は全く明らかになっていない。 本研究では、Fibrobacterota門に属する新規分離株が植物細胞壁の分解に必須と考えられているエキソ型セルラーゼや主要なヘミセルラーゼを欠損しているにも関わらず、高いセルロース分解能力を持つ新奇分解菌であることを明らかにした。セロビオース及びセルロースを炭素源として培養を行い、RNAシーケンス解析によりセルロース存在下で高発現される遺伝子群の同定を行った。その結果、予想に反して、バクテリアでは珍しい糖質加水分解酵素ファミリーが高発現していることも明らかになった。ただし本菌では機能未知のタンパク質などがセルロース分解に関与している可能性があるため、引き続き発現遺伝子の機能の精査を行っていく予定である。立体構造モデリングなども検討し、タンパク質レベルでの機能解析を行う酵素遺伝子を選定する。また、本菌がセルロースでの培養時に極めて高速に運動することも明らかになり、また鞭毛関連の遺伝子も大きく発現誘導していることも明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに各炭素源での微生物株の形態を詳細に観察した他、セルラーゼの特徴について立体構造モデリングを含む詳細を明らかにした。その結果はアメリカで行われたゴードン会議で発表し、世界の研究者からの反響を得た。また遺伝子発現解析によりセルロース分解時に発現誘導される遺伝子群を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後、異宿主発現によるタンパク質レベルでの機能解析に向けて、とくにセルロース分解時に高発現していたタンパク質について、詳細な解析を行っていく予定である。
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