研究課題/領域番号 |
23K14012
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
高山 佳樹 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 助教 (00897605)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 海産浮遊性カイアシ類 / メソ動物プランクトン / 食物網 / Micro distribution / 水平・鉛直分布 / 卵生産 / 海面表層ミクロ層 |
研究開始時の研究の概要 |
海面ミクロ層(sea surface microlayer, SML)は地球の表面の7割を覆う海洋の表層わずか1 mm未満の層で、大気と海洋の境界にあるため、地球の物質循環において重要とされる。 近年、動物プランクトン(水中を漂う小さな生き物)が特定の時期にSMLに高密度で出現し、活発に餌を食べ、卵を産んでいることを見出した。 本研究では、SMLにおける動物プランクトン群集の時空間変動、「なぜ動物プランクトンがSMLに集まっているのか?」を明らかにし、被食・捕食関係から、動物プランクトが微生物食物網へ与えるインパクトを推定することで、動物プランクトン群集のSMLにおける生態学的役割の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
海面ミクロ層(sea surface microlayer, SML)は地球の表面の7割を覆う海洋の表層わずか1 mm未満の層で、大気と海洋の境界にあるため、地球の物質循環において重要とされる。
本年度は、相模湾真鶴沖において、SMLの環境要因の観測と、動物プランクトンの固定サンプル採取を実施し、これまでに得られたサンプルの測定、種同定、解析をおこなった。本海域におけるSMLのエンリッチメントファクター(SML直下に比べてSMLに対象物が何倍蓄積されているかを示す指標)を計算したところ、植物プランクトンの現存量を示すクロロフィルaのエンリッチメントファクターは、風速との間に負の相関が見られ、風速1m/秒以上の風が吹くとSMLが崩壊し、直下の水と混合されていることが示唆された。
SMLとその直下に存在するメソ動物プランクトン群集を比較した際には、ある一定の時期にはSMLで高密度の群集を形成していることが示された。またSMLとその直下の群集をクラスター解析したところ、5つの群集に分けられ、加えてRDA解析を行ったところSML群集とその直下の群集では、異なる様子が示された。これらの群集と環境要因の関係をみたところ、水温変化がその制御に関わっていることが示されたが、SMLとその直下の群集構造の違いを説明する要因は特定できていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者が所属する機関が変わったことに伴う研究環境の変化があった。実験室の引越しや立ち上げに伴い、申請研究の実施を中断した時期が存在した。また、申請研究の実施にはSMLの効率的な採集が必須であるが、その採集装置の開発、製作に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、課題として挙げられた採集装置の改良を行うが、研究協力者の協力を仰ぎ、一早い装置の完成を目指す。また、これまでの研究課題として挙げられる、SMLの空間的な分布についての高頻度観測を行う。これらの実施によって、SMLにおける動物プランクトン群集の時空間変動、「なぜ動物プランクトンがSMLに集まっているのか?」を明らかにし、被食・捕食関係から、動物プランクトンが微生物食物網へ与えるインパクトを推定することで、動物プランクトン群集のSMLにおける生態学的役割の解明を目指す。
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