研究課題/領域番号 |
23K14031
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
TANG GUANYAN 東北大学, 農学研究科, 助教 (70965615)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーソナルネットワーク / 女性農業者 / 性別比較 / 世代別比較 / 知識継承 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における女性農業者の高齢化が進む中、彼女らの持続的な活躍推進には円滑な世代交代が必要であり、そこでは人と人の繋がりに着目したパーソナルネットワーク分析の視点からの知識・技能(暗黙知)継承プロセスの考案が不可欠である。そのため、本研究では、各地の世代別女性農業者を対象にアンケート調査とヒアリング調査を実施し、パーソナルネットワークの可視化とその構造の解明、ライフステージに応じたパーソナルネットワークの経時的変化の整理を通して、次世代の女性農業者にどのような知識・技能を継承するのが適切なのかを考察し、知識継承プロセスにおけるネットワークの働きを解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、持続的農業経営に必要である女性農業者の活動推進のため、次世代リーダーとなる人材に必要な知識・技能を継承するプロセスを考案するにあたり、女性農業者のパーソナルネットワークの実態調査と知識・技能継承の紐帯としての働きを明らかにすることが目的である。本年度は、課題①可視化分析を用いた女性農業者のパーソナルネットワークの実態調査に取り組んだ。先行研究を整理した上で、調査実施の可能性を配慮して、仙台市の認定農業者とその配偶者を対象にパーソナルネットワーク実態に関するアンケート調査を実施した。その結果、まず、パーソナルネットワークにおける男女差が確認され、男性がより大きい仕事関係のネットワークを所有していること、親族などの血縁関係とより密接なつながりを持っていること、同居家族からより多くの手段・道具的サポート(家事や農作業のお手伝いなど)を受けていることが分かった。また、世代別の男女間におけるパーソナルネットワークの差異も確認されて、若年層の女性農業者が所有する仕事関係の希薄さに対して、壮年層が持つ「仕事仲間」という親密度の高い仕事関係の重要性が分かり、次世代リーダー育成に向けて、女性農業者が所有する仕事関係の「進化」が課題とされた。さらに、女性農業者にとって、友人関係などの「非公式的関係」の重要性も確認された。しかしながら、アンケート調査を通じて収集したパーソナルネットワーク情報では限界があることを判明し、次年度では、ヒアリング調査を中心に就農状況や活動志向などの個人属性、ライフヒストリー上のネットワークの変化などの情報を収集し、類型別、時系列的分析を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題①に関わるパーソナルネットワークの実態調査に性別・年代別の視点を加えた分析は順調に進捗したものの、全国規模でのアンケート調査の実施可能性が低いことを判明し、ヒアリング調査に移行するための現場調整が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はすでに収集されたデータを用いてパーソナルネットワークの実態分析を継続して行うとともに、ヒアリング調査を中心に類型別、時系列的分析に必要な追加データの収集を進める。それらのデータを用いて課題②女性農業者のパーソナルネットワークの経時的変化の解明に取り組む。
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