研究課題/領域番号 |
23K14056
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
濱本 亨 東北大学, 農学研究科, 助教 (80877100)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 土壌炭素 / 土壌微生物 / 有機物分解 / 黒ボク土 / タイ / 模擬土壌 / 有機化 / 無機化 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌炭素は作物生産活動や気候変動緩和の要だけでなく、そこに棲む微生物の量や多様性と関連している。本研究は、土壌微生物群の活動に伴う投入由来炭素の蓄積量と放出量のバランスの規定要因において、微生物コミュニティの違いによる影響を調べる。そのために、微生物間の直接的・間接的相互作用に着目し、微生物種数や炭素量を制限した土壌を用いた試験を行う。そして土壌微生物集団の規定要因を特定し、炭素利用効率が最大となる微生物システムを構築できるか、を明らかにする。
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研究実績の概要 |
土壌炭素は作物生産活動や気候変動緩和の要だけでなく、そこに棲む微生物の量や多様性と関連している。多様な微生物が生存し、形成された土壌微生物コミュニティは有機物の同化および異化を通して炭素循環を駆動している。これらの微生物を介した炭素の蓄積量と放出量のバランスは炭素動態において非常に重要である。しかし、炭素蓄積が最大化される土壌環境および微生物群がどのようなものかは明らかでない。そこで本研究では、土壌微生物群の活動に伴う炭素蓄積量と放出量のバランスの規定要因において、微生物間の直接的・間接的相互作用に着目し、それらが炭素動態に与える影響を明らかにすることを目的とした。 初年度である本年度は、微生物種数を制限した超単純系の土壌環境の構築に取り組んだ。模擬土壌の作成を進め、微生物接種培養試験を行った。その結果、添加基質および微生物種によって呼吸量に大きな影響があることが明らかとなった。今後より詳細な研究を行い、得られた知見をまとめつつ投稿準備を進める。また、黒ボク土における高い炭素蓄積量と微生物活動との関係性に着目し、基質利用に伴う炭素動態試験を行っており、現在は詳細な分析を進めている。 さらに、国際農研らとタイ国内の長期連用試験圃場に関する共同研究契約を結んだ。熱帯土壌における長期的な養分供給によって変化した土壌肥沃度とそれらに関連する諸因子との関連解明を目的に研究を行う。本年度はそのための土壌サンプリングを行った。今後はタイ土壌の分析を進めつつ、その他の研究で得られた知見と統合していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画1年目であった本年度は、土壌微生物動態と炭素動態に関わる異なるスケールによる実験を設定した。同時に、タイの長期連用圃場における土壌サンプリングも実施しており、次年度はその土壌が到着次第、分析を進めていく。養分動態における土壌微生物の直接的・間接的な相互作用に関する幅広いデータ収集を進めている。以上のことから(2)おおむね順調に進展している、と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
各種実験における分析を引き続き継続し、得られた成果をまとめて学会、投稿論文などで発表する。タイにおける研究については、共同研究先成果の共有や論文執筆活動の方向性に関して議論を行いつつ、投稿論文などとしてまとめて準備を進める。
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