研究課題/領域番号 |
23K14068
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
勝俣 沙智 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 特任助教 (60963824)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Nτ-メチルヒスチジン / 絶食 / ブロイラー / 骨格筋タンパク質分解 / 遊離アミノ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の食鳥処理場では、衛生管理のために、食鳥処理(と鳥)前に肉用鶏(ブロイラー)を絶食させる。私たちはこれまでの研究において、絶食時間を長くすると熟成後の鶏肉中遊離グルタミン酸(Glu、食肉の主要なうま味成分)含量が増加することを明らかにした。一方、絶食時間に依存して熟成後の鶏肉中Glu含量が高くなる機序の解明は課題として残された。そこで、「と鳥前の絶食時間に起因するブロイラー生体の骨格筋タンパク質分解反応が、と鳥後の鶏肉熟成機構へ及ぼす影響の解明」を目的とし、本研究を実施する。
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研究実績の概要 |
わが国の食鳥処理場では、衛生管理のために、食鳥処理(と鳥)前に肉用鶏(ブロイラー)を絶食させる。絶食処理が熟成後の鶏肉品質に及ぼす影響を調査した申請者のこれまでの研究では、絶食時間を長くするとブロイラー生体内の骨格筋タンパク質分解反応が亢進し、熟成後の鶏肉中遊離グルタミン酸(食肉の主要なうま味成分)含量が増加することを明らかにした。この結果は、絶食時間の調節により熟成中にうま味成分を高くできる可能性を示唆している。一方、絶食時間に依存して熟成後の鶏肉中遊離グルタミン酸含量が高くなる機序の解明は課題として残されている。そこで本研究の目的は、「と鳥前の絶食時間に起因するブロイラー生体の骨格筋タンパク質分解レベルが、熟成期間の鶏肉中タンパク質分解酵素の働きに及ぼす影響の解明」とした。畜産学分野における骨格筋タンパク質分解についての既存研究では「家畜生体の骨格筋」または「と畜・と鳥後の食肉」のどちらかに主眼が置かれてきたため、それらの関連性は明らかにされていない。 研究内容について具体的には、生体の骨格筋タンパク質分解レベルの指標として血中Nτ-メチルヒスチジン濃度を用い、と鳥直後および熟成後の浅胸筋におけるATP非依存性のタンパク質分解酵素のmRNA発現量、および遊離アミノ酸含量との関係を明らかにする。まず本年度は、絶食処理に起因する家畜生体における骨格筋タンパク質分解レベルと、熟成後の浅胸筋における遊離アミノ酸含量ならびに骨格筋タンパク質分解酵素のmRNA発現量を調査できた。現在は、その関連性を解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、絶食処理に起因する家畜生体における骨格筋タンパク質分解レベルと、熟成後の浅胸筋における遊離アミノ酸含量ならびに骨格筋タンパク質分解酵素のmRNA発現量を調査できた。上記の理由により、本研究はおおむね順調に遂行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降は、当初の計画書通り「ヒトがうま味として検知できるGlu含量や、その他の鶏肉品質を熟成後も保ちつつ絶食時間を短縮できるか」の検討に着手する。
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