研究課題/領域番号 |
23K14078
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
梶 健二朗 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (60884252)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | イヌ尿路上皮癌 / ABCトランスポーター / 薬剤耐性 / BRAF / MEK / 犬尿路上皮癌 / BRAF変異 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤トランスポーターABCB1およびABCC1は癌細胞の抗がん剤に対する薬剤耐性に関与しており、その発現はMAPK経路のうちBRAFシグナルの下流に存在するMEKを活性化することで増加することが知られている。犬尿路上皮癌(cUC)では癌細胞のBRAF遺伝子に変異が高率に発生しておりMEKが異常に活性化されていることから、cUCではBRAF変異がMEKの活性化を介してABCトランスポーターの発現を増加させている可能性が考えられる。そこで、本研究はcUCにおいてBRAF変異がABCB1およびABCC1発現を介して抗がん剤に対する薬剤耐性におよぼす影響を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究はイヌ尿路上皮癌(cUC)においてBRAF変異が薬剤トランスポーター発現を介して薬剤耐性に及ぼす影響を解明するとともに、BRAF/MEK/ABCトランスポーター軸を標的とした癌の薬剤耐性を克服する新規治療法の構築を目的とする。 まずBRAF野生型の細胞株TCC-shおよびOMTCCとBRAF変異型細胞株Sora、Love、MCTCCにおける薬剤トランスポーターABCB1とABCC1発現を評価したところ、BRAF変異株には遺伝子レベルおよびタンパクレベルでABCB1の発現が認められたが、ABCC1の発現は認められなかった。一方、BRAF野生株ではどちらのトランスポーターも発現が認められなかった。実際にBRAFがABCB1発現に影響を与えているか検討するためにBRAF阻害剤の添加実験を行ったところ、BRAF阻害剤により有意にABCB1発現が減少することが明らかとなった。更にBRAFの下流シグナルであるMEKの阻害剤を用いた実験においても同様な結果が得られた。これらのトランスポーターが薬剤による刺激によって発現が誘導されるか評価するためにABCトランスポーター誘導能があるフェニトインの添加実験を行ったが、BRAF野生株・変異株のどちらにおいてもABCB1およびABCC1の発現には影響を与えなかった。これらのトランスポーターが実際に薬剤の排泄に関与しているか評価するためにカルセインアッセイを実施したところ、BRAF野生株と比較してBRAF変異株ではカルセインの細胞外排泄が促進されていることが確認された。以上の事から、cUCにおいてBRAF変異は恒常的にABCB1発現を誘導しており細胞内からの薬剤排泄を介して薬剤耐性に関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者の仮説通りの結果が得られており、また本研究は採択以前から予備検討を十分に実施していたこともあり当初の計画通りに研究が遂行されていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
実際に抗がん剤に対する薬剤耐性に関与しているか検討するために、ABCトランスポータの基質となるような抗がん剤を用いて細胞毒性アッセイおよび蛍光アッセイを実施する。さらに、それらの排泄がBRAF阻害およびMEK阻害により変化するか評価する。また、担癌モデルマウスにおいてABCトランスポーターの基質となるような抗がん剤と共にBRAF阻害剤およびMEK阻害剤を併用することで薬剤耐性が抑制されて抗腫瘍効果が増強されるか検討する。 更に、実際の症例においてBRAF変異とABCトランスポーター発現ががん組織において相関しているか評価し、予後や病態に与える影響を評価する。
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