研究課題/領域番号 |
23K14082
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松郷 宙倫 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (40907408)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ボルナ病ウイルス / 細胞侵入 / VSVシュードウイルス / レセプター / ボルナウイルス / 受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
ボルナ病ウイルス(Borna disease virus: BoDV)は、様々な哺乳類に感染し、脳炎を引き起こすことが知られている。BoDVの感染は、エンベロープ上の糖タンパク質(Gタンパク質)と細胞の感染受容体(レセプター)の結合から始まるが、未だにそのレセプターは同定されていない。本研究ではBoDVのレセプターを同定し、さらに細胞間伝播におけるレセプターの役割を明らかにすることを目的とした。また、生体においてもその分子がBoDVのレセプターとして機能するかを検討する。本研究によりBoDVの細胞内侵入機構、病態発現機構が明らかとなり、さらにはボルナ病の治療薬開発につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
ボルナ病ウイルス(BoDV-1)の感染は、エンベロープ表面にある糖タンパク質(Gタンパク質)と細胞膜上の感染受容体(レセプター)との結合から始まるが、未だそのレセプターは見つかっていない。また、細胞侵入に関わる宿主因子もほとんどわかっていない。そこで、本研究ではレセプターを含む細胞侵入に関わる宿主因子を明らかにし、BoDV-1の病態発現機構の解明に貢献することを目的とした。 本研究では、CRISPRスクリーニングによってBoDV-1のレセプター同定を試みる。BoDV-1は細胞傷害を起こさず、また大量の細胞に効率的に感染させることも難しく、BoDV-1を用いてCRISPRスクリーニングを実施することは難しい。そこで細胞傷害を起こせるVSVシュードウイルスに注目した。BoDV-1のGタンパク質を被ったVSVシュードウイルス(VSV-ΔG-BoDV-1)は過去に報告があるもののその結果は再現できず、力価は非常に低かった。そこで、まず高力価のVSV-ΔG-BoDV-1の作出方法の開発を試みた。Gタンパク質の発現量を調整することで、力価を5-10倍上げることに成功した。さらに、株間で力価に大きな差があることがわかり、BoDV-1 huP2br株を用いることでその力価は200倍程度あがった。また、Gタンパク質の膜融合活性が力価に関係していることも明らかにした。 高力価のVSV-ΔG-BoDV-1を作出できるようになったため、このウイルスを用いてCRISPRスクリーニングを実施した。その結果、ヘパラン硫酸の合成に関わる宿主因子が多くヒットした。そこでヘパラン硫酸を欠損させた細胞を作出し、BoDV-1の感染効率を評価したところ、野生型細胞に比べ大きく感染効率が低下した。このことからヘパラン硫酸がBoDV-1の感染に重要であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去の報告とは異なり、VSV-ΔG-BoDV-1の感染力価が低かったものの、条件検討することで問題を解決し、新たな知見を得るとともにCRISPRスクリーニングを実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
BoDV-1は細胞侵入にヘパラン硫酸を用いることがわかったが、ヘパラン硫酸欠損細胞にも感染できることから他の分子がレセプターとして機能していることが示唆される。そこで、来年度はヘパラン硫酸欠損細胞にてCRISPRスクリーニングを実施する。しかし、非増殖型のVSV-ΔG-BoDV-1ではヘパラン硫酸欠損細胞での感染効率が低く、スクリーニングできない。そこで、来年度はBoDV-1-Gを発現する増殖型の組換えVSVを作出し、そのウイルスを用いてスクリーニングし、レセプターの同定を試みる。
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