研究課題/領域番号 |
23K14108
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
山崎 渉 秋田大学, バイオサイエンス教育・研究サポートセンター, 助教 (00966749)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 多倍体胚 / 雌雄ゲノム / 核移植 / 胎盤発育 / 多倍体 / インプリント遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類における個体発生の完遂に対して雌雄ゲノムはそれぞれ働きが異なる。本研究ではマウス胎盤組織における雌雄ゲノムの働きを、多倍体胚を用いてアプローチを試みる。多倍体胚を二倍体胚由来の内部細胞塊とアグリゲーションさせることで、受胎産物の生存率の上昇、生存の延長を試みる。多倍体胚における胎盤組織の表現型、遺伝子発現および機能面を評価・検証することにより、マウス胎盤形成・分化における雌雄ゲノムの寄与の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、内部細胞塊の単離および多倍体胚とのアグリゲーションの実験方法の確立、およびコントロールである二親性四倍体胚および三倍体胚と二倍体内部細胞塊とのアグリゲーション胚の胎盤組織を得ることを目的とした。 二倍体内部細胞塊の単離について、当初はTriton X-Trypsin処理による方法を試していたが、単離効率および十分な細胞数の確保が困難であった。そこで、免疫手術による単離方法に変更したところ、単離効率の改善および十分な細胞数が確保できた。そこで以降の実験では、内部細胞塊の単離を免疫手術により行うこととした。 多倍体胎盤組織は、単離した二倍体内部細胞塊と多倍体胚からなるアグリゲーション胚から得られる。アグリゲーションは内部細胞塊と8細胞期胚を用いて作製される。そこで、初めに8細胞期胚採取に最適な時間を決定するため、二倍体胚における8細胞期到達時間を観察した。結果、媒精後54時間にて70-80%の胚が8細胞期に達したため、アグリゲーションはこの時間に行うこととした。次に、二親性四倍体胚を前核移植にて作製し、8細胞期までの発生を観察したところ、媒清後54時間の時点では、ほとんどの胚が4細胞期までしか発生しておらず、発生速度の遅延がみられた。また、前核移植にて作製した二雄核三倍体胚においても、媒精後54時間の時点で約30%の胚のみが8細胞期へと達する結果となった。そこで、発生速度の遅延を解消するため、四倍体胚を、前核移植ではなく、2細胞期における核移植にて作製し、発生速度を検証した。結果、媒精後54時間の時点で、2細胞期に核移植を行った四倍体胚の約75%が4細胞期(通常の8細胞期に相当)まで発生しており、多倍体胚における発生速度の遅延が解消された。 これらの実験により、効率的なアグリゲーション胚の作製が可能となったため、上記手法を用いて、多倍体胚胎盤の作出に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた実験手法でのアグリゲーション胚の作製に問題(内部細胞塊単離方法および多倍体胚発生速度の遅延)が生じ、実験手法の改良が必要となり、それら実験の検証を行っていたため。
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今後の研究の推進方策 |
アグリゲーション胚の作製方法の問題(内部細胞塊単離方法および多倍体胚発生速度の遅延)が解消されたため、それらの手法を用いて多倍体胚と二倍体内部細胞塊とのアグリゲーション胚を作製する。採取された胎盤について、組織学的解析、遺伝子発現解析を行う。また、二倍体胚と多倍体胚のキメラ胚の胎盤も採取し、比較対象とする。
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