研究課題/領域番号 |
23K14156
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山内 悠平 京都大学, 医生物学研究所, 特定助教 (50898070)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ネットワーク構造理論 / 数理モデリング / 細胞周期 / CDK4/6阻害剤 / 細胞周期数理モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療において、サイクリン依存性キナーゼ4/6 (CDK4/6) の阻害剤が有効な患者は一部の患者に限定され、多くの患者で薬剤耐性が大きな問題になっている。 細胞周期システムは、多数の物質や反応を含む複雑なネットワークにより制御されており、CDK4/6阻害剤耐性という現象を根本的に理解するには、ネットワークダイナミクスの観点が不可欠である。本研究では、ネットワーク構造理論 (構造感度解析) を活用し、細胞周期ネットワークダイナミクスの観点からCDK4/6阻害剤耐性機構に迫り、耐性を克服する方法を提案する。
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研究実績の概要 |
がん治療において、サイクリン依存性キナーゼ4/6 (CDK4/6) 阻害剤が有効な患者は一部の患者に限定され、多くの患者で薬剤耐性が大きな問題になっている。しかし、CDK4/6阻害剤耐性の原因はほとんど明らかになっていない。本研究では、ネットワークダイナミクスの観点からCDK4/6阻害剤耐性という現象を理解し克服することを目指す。 先行研究により、ネットワーク中の酵素の活性を阻害した影響がどの物質まで及ぶかを、ネットワーク構造のみから予測する理論 (構造感度解析) が確立されている。特に、ネットワーク中の部分ネットワークがあるトポロジカルな条件を満たす時、それは緩衝構造と呼ばれ、緩衝構造内部の酵素の活性を阻害した時の影響範囲は、その内部に限局することが知られている。本研究では、がん進行に伴う薬剤耐性化の背後に、細胞周期ネットワークの緩衝構造の変化があるのではないかと仮説を立てた。 様々な遺伝子変異によって生じる緩衝構造の変化を調べるため、本年度は、任意のネットワークに対し、緩衝構造を網羅的に同定する方法を開発し、その成果を論文にまとめた。ここで開発した手法を細胞周期ネットワークに適応することで、様々な遺伝子変異が生じた場合のネットワークにおいて、緩衝構造を同定することに成功している。 上記手法を開発する過程で、「摂動の影響が限局するような部分構造があれば、必ずあるトポロジカルな条件を満たす」という法則を理論的に見出した。これは、摂動の結果を基にネットワークの構造を予測できることを示している。将来的には、理論予測を実験的に検証することになるが、解析に使用しているネットワークが不完全な場合、理論と実験の齟齬が生まれることがあり得る。その場合にも観測された摂動結果から、今回見出した法則を用いてネットワークを修正することが可能になるであろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析の礎を構築することができた。また、当初のステップである、様々な遺伝子変異が生じた場合のネットワークにおける、緩衝構造変化を同定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
CDK4/6阻害剤耐性の原因には未知のものが多くあると考えられる。そこで、緩衝構造の変化に注目することで、未知の耐性原因を予測する枠組みを作ることを目指す。また、CDK4/6阻害剤耐性を克服する治療戦略を提案し、実験的な検証を行うことを予定している。
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