研究課題/領域番号 |
23K14162
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) |
研究代表者 |
東田 怜 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 特別研究員 (10908122)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 構造生物学 / センサータンパク質 / 蛋白質 / ヘムタンパク質 / 複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
酸素分子をはじめとする気体分子は、様々な生理機能を制御するためのシグナル分子として機能することが知られている。本研究では、酸素分子が走化性シグナル分子として機能する走化性制御系を研究対象とし、その構造機能相関の解明を目的として研究を実施する。本系を構成するHemAT、CheA、CheWそれぞれの構造決定を行うとともに、HemAT/CheA/CheW複合体の構造決定も合わせて行う。得られた構造情報を基に、HemAT/CheA/CheW複合体による酸素センシング、およびシグナル伝達に関与すると推定されるアミノ酸残基に変異を導入した一連の変異体を調製し、その機能解析を行う。
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研究実績の概要 |
酸素分子などの気体分子は、生体内において酵素の基質や反応生成物として利用される以外にも、様々な生理機能を制御するためのシグナル分子として機能していることが知られている。中でも細菌や細胞が特定の化学物質の濃度勾配に応じてその運動性を制御する走化性制御系は代表的な例である。本研究では酸素分子をシグナル分子として認識する走化性制御系に寄与しているヘム含有シグナルトランスデューサータンパク質HemATとその共役タンパク質であるCheタンパク質(CheA: ヒスチジンキナーゼ、CheW: 共役タンパク質)を研究対象とすることで、酸素センシング・シグナリングの構造機能相関解明を目的として研究を実施している。 これまでに下記の内容を得ることができた。 1)従来のHemAT/CheA/CheW三者複合体サンプル調製では純度が低く、純度が低いサンプルを使用していたことによりクライオ電子顕微鏡における分解能が向上していないことが考えられた。そこで本年度からはサンプル調製過程を改善することでHemAT/CheA/CheW三者複合体の純度向上を図った。その結果、HemAT/CheA/CheW三者複合体サンプルを純度よく調製することができた。 2)HemAT/CheA/CheW三者複合体におけるクライオ電子顕微鏡による単粒子解析を試みた。その結果従来はHemATのクーロンマップが欠落していたが、今回の測定ではHemAT全体のクーロンマップを確認することができた。 3)これまで結合比はクライオ電子顕微鏡による単粒子解析の結果からのみで議論されてきた。今回はHemAT/CheA/CheW三者複合体サンプルの純度が向上されたことから、Mass photometryを用いて複合体の分子量分布を求めた。その結果、クライオ電子顕微鏡の結果と同じHemAT: CheA: CheW=2:1:1である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題ではHemAT/CheA/CheW三者複合体に着目した構造解析を目指している。三者複合体のサンプル調製を改善することに成功しており、クライオ電子顕微鏡を用いた解析で高分解能構造が得られるように条件検討を進めていることから、順調に推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は純度を向上させたHemAT/CheA/CheW三者複合体を用いてクライオ電子顕微鏡における条件検討を行うことで高分解能構造を得ることを計画している。またCheYタンパク質も含めて測定を行うことも計画している。
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