研究課題/領域番号 |
23K14191
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
羽田 政司 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (10802746)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 精子成熟 / 核凝縮 / クロマチン動態 / エピジェネティクス / バイオインフォマティクス / 精子形成 |
研究開始時の研究の概要 |
減数分裂後の雄性生殖細胞は精子細胞と呼ばれ、高度な核凝縮を伴った成熟過程を経ることで成熟精子へと成長する。精子核の凝縮は、クロマチン構造を形成しているヒストンタンパク質の排斥とプロタミンへの置換によって達成される。ヒトでも精子核凝縮不全と不妊の関係性はよく知られているが、精子核凝縮における基本的なクロマチン基盤、すなわち凝縮に重要なクロマチン領域やそれらが凝縮される順序などの情報は未だ明らかにされていない。そこで本研究課題では独自の精子細胞の精製技術と、申請者が得意とする生殖工学・大規模データ解析技術を駆使することで、精子核凝縮過程における詳細なクロマチン基盤を明らかにすることを目的とした。
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研究実績の概要 |
本研究課題は精子核凝縮過程におけるクロマチン動態及び核凝縮に重要な領域を明らかにすることで、精子成熟に重要なクロマチン基盤を提示することを目的としている。このために研究室独自のレポーターマウスを用いた細胞の精製系を最適化する必要があるが、条件検討は採択前の準備期間で完了していた (Fujiwara*, Hada*, CytoA., 2023)。そこで初年度となる今年度は、精子核凝縮過程の細胞を実際に分取精製し、ゲノムワイドなクロマチン状態の解析手法であるATACseq解析を行った。その結果、特定の時期でゲノム全体が大きく弛緩する状態が存在することを見出した。更に変異マウスを用いた解析から、この弛緩状態が低ヒストン状態を反映していることを明らかにした。一方で本研究課題の目的の一つが、領域特異的な核凝縮の機序を明らかにすることである。前述のATACseq解析の結果から、比較的遺伝子密度の高いゲノム領域は弛緩の程度も強いことがわかった。 次年度では核凝縮に重要な因子であるプロタミンを欠損させた変異マウスを使用することで、核凝縮に対するこれらの具体的な役割を解析する予定であるり、マウスコロニーの拡大も予定通り進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は解析系を構築し、実際にATACseq解析を行う予定であったが、これらを滞りなく遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度構築した解析系を用いて、来年度は核凝縮に異常を呈する各種変異マウスを解析する予定である。また、研究計画の最終年度であるため、成果を国内外の学会で発表する予定である。
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