研究課題/領域番号 |
23K14206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 賢司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50908308)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 表皮細胞 / 不均一性 / 植物発生 / 遺伝子発現制御 / 転写後調節 |
研究開始時の研究の概要 |
植物体の表層は表皮と呼ばれる組織によって覆われている。表皮は,孔辺細胞や敷石細胞といった複数種類の異質な表皮細胞が組み合わさって構成される”不均一”な組織である。さらに,まるでヒトの指紋が各個人や指ごとに固有のパターンを示すように,表皮における孔辺細胞や敷石細胞の分布パターンは植物や器官ごとに固有のパターンを示す。 本研究では,こうした表皮における表皮細胞の分布パターンの不均一性や固有性がどのように発生するのかを分子的に明らかにすることを目指す。特に,表皮細胞の性質を決定する転写因子の発現強度が,各原表皮細胞間でランダムにばらつくことに着目して研究を行う。
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研究実績の概要 |
植物体の表層は表皮によって覆われている。表皮は,植物個体内部を保護するほか,植物個体と外部環境の間の物質交換を担う多機能組織である。こうした多機能性は,複数種類の異質な表皮細胞が適切に組み合わさることによって,初めて発揮される。複数の表皮細胞種はどれも原表皮細胞と呼ばれる同一の細胞種から分化する。しかし,表皮の発生過程でどのように原表皮から複数の表皮細胞種が分化するのかについて,その分子機構は明らかではない。本研究では,表皮において複数の表皮細胞の分化が適切に制御される機構を分子的に明らかにすることを目指す。特に,表皮細胞の性質を決定する転写因子ATML1の発現強度が,各原表皮細胞間でランダムにばらつき,それによって原表皮細胞の細胞分裂特性や分化運命が変化することに着目して研究を行う。 2023年度は葉の発生過程において原表皮細胞から表皮細胞が分化する発生時間軸の詳細な解析を行い,原表皮細胞から表皮細胞の分化が開始される発生段階を同定した。こうした時間軸の情報を基に,ATML1の下流に存在する細胞周期関連因子の候補を複数同定した。2024年度はこれら因子の解析を詳細に行う予定である。また,ATML1について,各原表皮細胞間での発現のばらつきを発生させるのに必要だと考えられる重要な遺伝子領域の候補を得た。そこで,2024年度はこの遺伝子領域について様々な観点から解析を深化させる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
葉の発生過程に沿った表皮細胞分化過程の発生時間軸の解析を基に,いくつかの重要因子候補を同定することが出来た。また,ATML1について,各原表皮細胞間での発現のばらつきを発生させるのに必要だと考えられる重要な遺伝子領域の候補を得た。こうした結果を基に,今後の研究展開の見通しが立てられたため,順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
ATML1の下流候補因子として同定された遺伝子の変異体や過剰発現体の解析を進めるとともに,ATML1とのエピスタシス解析を行うことで,ATML1と細胞周期関連因子の関係性を遺伝学的に明らかにする。また,もう一つの重要な課題であるATML1の発現強度が原表皮細胞間でバラつきを示すメカニズムの解明に向けて,上述した遺伝子領域を欠失させた植物の系統などを作出し,その機能解析を行う。
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